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蒼雷の高翔  作者: 氷華 青
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神槍と惑星

「まったく、しゃあねぇな。ピンククラスの副将と十人ちょいの手勢で二十五人もやられるなんて、俺が出るしかねぇようやな。片倉さん、行きましょか」

「ええ。全力でサポートさせてもらうわ、白君。この片倉 雪乃がね」

やつらが主力だな。

「ブレイズスパイラル!」

二人掴みながら回し蹴りで一人倒し、掴んだ二人を投げ飛ばす。炎を出しながら。

「ニトロエンジン!」

腕から出した炎の勢いで伊達のもとまで飛んでいく。

「ほう、あんたがピンククラスの副将か。でも、甘いんちゃいまっか?あんた、十人に囲まれてんで」

「はん、んなこと、どうでもいいんだよ!すぐに覆る!ブレイズスパイラル!」

だが、ブレイズスパイラルを食らったやつらは生き延びている。なるほど、さすが、ネイビーの上位十人だ。これは倒しがいがある。言っとくが、俺はサイコパスじゃねぇぞ。

「クロガネ!」

「了解!クロガネサーベル!」

クロガネがサーベルを出して、投げてくれた。

「サンキュ、クロガネ!フレイムスラッシュ!」

サーベルに炎を宿し、斬撃を放つ。四人倒した。

「おいおい、どうしたぁ、ネイビークラスはそんなもんかぁ?!」

すかさず煽る。

「俺らのクラスでいつまでも勝手なことやっとんちゃうで、副将さんよぉ!コールドハンド!」

凍った掌で掴まれた。顔がどんどん氷に蝕まれ、意識を失いそうになる。だが、氷なら、溶ける。顔から火を出し、伊達の腕を引き剥がす。

「まったく、どっからでも火ぃでんのやなぁ。おもろなってきたやんけ。ゆっとくけど、俺はあんたとタイマンしよとは思てへんで、そこんとこ考えといた方がええで」

「ブリザードスラッシュ!」

「うわっ!」

今度は確実に凍りついた。ちくしょ、そういや片倉もいたな。俺は「ステートリカバリー」で凍った体を元に戻す。

「ブラフマーか。やるやないか」

「そーゆーお前は、オーディンか?」

「当たりや。ホワイトグングニル!」

突き出された槍を、受け止める。血が出る。腕が凍りつく。

「ちっ。フィジカルリカバリー!」

さっき削れた俺の持ち点が回復し、血が止まった。ステートリカバリーで凍りついた腕を治す。

「鬱陶しいのぉ、ブラフマーは」

「へっ、そうか?じゃあもっと味わわせてやるよ!ドレインゾーン」

ドレインゾーンは、効果時間五分間に、相手から減らした点数を自分に上乗せするという技だ。ドレインゾーンに入った俺は、サーベルをクロガネにパスし、炎で弓と矢を創った。

「アポローンの力を体感しやがれ!デルフォイ・アポローン・アローズ!」

爆風。その先に見えたのは、二人の無得点者と、四人の生存者。伊達も片倉も、まだ倒れてない。

「やるやないか。やけど、四人はミッドガルドシールドで守ったで」

これが俺の発揮できる技の最高位だったのに、耐えられた。だが、200点と少しは獲った。

ピンククラスの攻撃部隊も残り五人。まずいな。




「みんな、とにかく数で上回るんだ!」

二階からパープルクラスの部隊が攻めてきた。最高成績者の僕は、ピンククラスの同志たちに指示を出す。ネイビー攻めは上手くいっているだろうか。まぁ、焔君なら大丈夫だろう。必ず成功してくれる。相手の手勢は二十人ほどだったが、今は十人ほど。ピンククラス防衛部隊二十七人のうち、生存者は十五人。ちょっと押されてる。でも、大丈夫。僕が出る。今までは、僕を温存しようという作戦だったけど、さっき大河君と相談して、出ることに決めた。さぁ、本当の戦いを、始めよう。

「雷霆スマッシュ!」

掌を上から振り下ろし、最後は対象の相手に向ける。すると、掌から雷が出て来て、パープルクラスの一人を撃ち抜く。残り十四人。雷霆スマッシュをさらに三連続で撃ち、残り十一人。

「おい、あいつだ!あいつが最高成績者だ!」

あ、やばい、狙われる。霹靂シールド。これで攻撃を防ぐ。雷霆スマッシュで四人撃ち抜く。

残り七人。

「みんな、ここは僕に任せて!ネイビークラスに向かってくれ!」

「え、天、いいの?七人もいるんだよ?」

「大丈夫。それより、焔君が心配だから、残った十一人で援護してあげてくれるかな?」

「うん、わかった。健闘を祈るよ!」

そんなことを話している間にピンククラス二人とパープルクラス一人が倒れる。ピンククラス残り十三人、パープルクラス残り六人。ピンククラスの十三人はネイビークラスに向かった。

「おい、ピンククラスが撤退していったぞ?!どういうことだ?」

「いや、僕がいる!パープルクラス、かかってこい!」

「ほーう、一人で俺らを全滅させようってのか。言っておくが、十人増えたぞ」

「パープルクラスのみんな!僕だ、天野 (せい)が来たぞ!」

まじか。最高成績者の天野君が来た。それはつまり、パープルクラスの全勢力がピンククラスに集まっているということだ。パープルクラスの全員の攻撃が一点に集まるので、霹靂シールドが破れそうだ。さすがに十六対一は厳しいか。そう思い始めたとき、何か、聞き覚えのある声が囁いた。

「今だ。ワタツミの力を使うなら、今だ」

水分子の声だ。水分子が喋るのも何か可笑しいけど。僕は、昨日思い描いた技を使ってみた。

「大海の衝撃!」

クラスを海水で満たす。

「ディスチャージ!」

海水が、僕の放った電流を通し、十五人を倒した。

「さぁ、天野君。一対一で戦おう」

「一気に十五人も………やるじゃないか、青澤天。ウラノスの力を見せてやる」

僕は、ウラノスの力がどんなものかよくわからなかった。霹靂シールドを展開し、攻撃に備える。

「ふん、そんな薄いシールドじゃ、僕の攻撃は防げないよ。ジュピターインパクト!」

「ぐっ………」

感じたことのない衝撃が体に加わる。シールドは簡単に砕け、得点は300点を切った。これ以上攻撃を食らうとまずい。雷霆スマッシュを撃ち込むが、天野君の得点は600点残っている。もう、終わりだ。ごめん、みんな。




「お、おい、どうしたんだお前ら?!」

「焔君、援軍だ!ネイビークラスを倒すぞ!」

「おいおい、あんたら、ほんな数来たら厳しいて。こっちは二人になってもうたさかい」

「待て、大河!━━━全員連れてきたのか?」

「いや、教室には青澤君がいて、一人でパープルクラスと戦っている」

「━━━こいつら全員倒してから、てめえをぶん殴る」

「好きにしてくれ。一応、事情は後で話そう」

一刻も早く、ピンククラスにいかなければ。

俺の得点は、800点まで回復したから、いけるかもしれない。

「俺と大河と小鳥遊とクロガネで伊達を倒す!残り十一人は片倉を倒してくれ!」

「おう!」

「ほんな簡単にいかんで、俺らは」

「その通り。まだまだ倒すわ。ブリザードスラッシュ!」

「煌輝、五人やられた!」

「何とか持ちこたえろ!デルフォイ・アポローン・アローズ!」

「私も!カットウィンド!」

「ほんなもん、全部跳ね返せるで。ミッドガルドシールド!」

「それなら、それを割るだけだ!ポセイドンの力を見よ!オーシャントライデント!」

全ての攻撃をミッドガルドシールドが受ける。

「どうしたんや?ひびも入ってないで?」

「でも、得点の消費は凄いようだな」

一回の展開に100点も使うなんて、信じられない消費量だ。俺のデルフォイ・アポローン・アローズでさえ、50点消費だというのに。技の得点消費は、比較的綺麗な数字で一定になっている。例えば、天の雷霆スマッシュは15点消費。

「100点消費の技で10000点分の攻撃防げたら上等やろ?」

「10000点分攻撃与えて、割ってやる!」

ちなみに、消費とダメージは違う。デルフォイ・アポローン・アローズは、50点消費だが、与えるダメージは500点。ミッドガルドシールドの耐久力は、残り8300点分。

「もちろん、俺は黙って見とるだけじゃないで!ホワイトグングニル!」

「ミッドガルドシールドをすり抜けるのか?!」

「危ない、煌輝!クロガネシールド!」

「残念やったな、そのシールド、耐久力が1000点分やで。俺のホワイトグングニルは、100点消費の分、与えるダメージは2000点分なんや」

「ぐっ!」

「保健室でおとなしいしときや」

「煌輝、すまん!」

「安心しろ!俺がお前の仇をとる!」

一見、クロガネは落胆して、保健室に向かったように見えた。しかし、肩を落としながらも、あいつの眼は燃えていた。

「伊達白!俺が、俺たちが、ぜってぇお前を倒す!」

「ええ度胸やな。残り300点、全力で相手させてもらうわ」

「白君!全員片付けたわ!」

片倉。十一人でも倒せなかったのか。

「援護には回らせない!オーシャントライデント(30,100)!」(大河流雨、残り350点)

「ごめんなさい、白君。残り、100点もなかったの…」(片倉雪乃、残り0点)

「片倉さん!まあ、ええ。これで俺らに勝ち目はなくなったけど、俺は一人でも何人か倒して、爪痕残したる!」

「大河、やるじゃねぇか」

「君にそう言ってもらえて光栄だ」

「ホワイトグングニル(100,1000)!」(伊達白、残り248点)

「大河、危ねぇ!ファイアストレート(10,30)!」(焔煌輝、残り809点)

「そんな拳では、俺のホワイトグングニルは壊れやんで。あんたも保健室行きや」

「くっ、すまない、焔君。僕はここまでだ」(大河流雨、残り0点)

「小鳥遊!さっさと倒すぞ!ホワイトグングニルは、当たらなきゃ無駄な点数消費だ!」

「了解、避けまくる!早くミッドガルドシールドを壊さないと!」

「避けながら当てるぞ!デルフォイ・アポローン・アローズ!」(焔煌輝、残り759点)

(ミッドガルドシールド、残り7800点)

ピンククラスも、青澤がいれば三人。このまま戦い続けても意味はないように思われる。だが、ネイビークラスには勝ちたい。何としてでも、伊達は倒す!

「雷霆スマッシュ(15,150)!」(青澤天、残り273点)

その声に、ネイビークラスにいる俺たち三人は引き付けられた。

「ごめん、焔君。遅くなって」

「青澤!残ってたんだな」

「あんたが青澤天か…。この感じやと、もう俺に勝ち目はないみたいやなぁ」

そう言って、伊達はホワイトグングニルを創り出した(伊達白、残り148点)。そして、自分の心臓付近に思い切り突き刺した(伊達白、残り0点)。俺たち三人は、その一部始終に呆気にとられていた。

「頑張れよ、ピンククラス。この結果的に、ネイビークラスはピンククラスに大敗や。次は勝つで」

こうして、伊達は保健室へ走って行った。

「さて、残り三人だけど、僕らはどうする?」

俺は、青澤に、天野に勝った経緯を教えるよう頼んだ。




僕は、天野君と戦ったとき、完敗だと思った。でも、「もしかして天野君は攻撃しかできないのではないか」という予想もあった。だから、僕は雷霆スマッシュを打ち続けた。予想通り、彼は防御せず、点数を250点まで減らした。だが、残り100点をきってしまったので、策を巡らすことにした。ワタツミの力が心に囁いた。

「天野の点を吸収せよ」

心で頷く。ワタツミの力は、僕の思った通りに動いてくれた。

「大海の吸収(10,250,吸収200)!」(青澤天、残り88点)

「何が起こった!?」(天野星、残り0点)(青澤天、残り288点)

「天野君、君の点数をありがとう」

「ちくしょう!俺は、負けたのか………」

僕はピンククラスを急いで去った、いや、去ろうとしたところだった。

「なあ、青澤。ピンククラス、応援してるぜ」

「ああ。ありがとう、天野君」

力ない天野君のグーサインを見て、僕はすぐ近くのネイビークラスに向かった。




そんな内容を話した。

「そうすると、私たちは、パープルクラスも、ネイビークラスも倒したことになるよね?」

「そういうことだな」

「次、どうする?」

「とりあえず二人とも、手、貸して」

焔君と僕は手を差し出す。小鳥遊さんは、僕らの手を握り、

「ヒーリングウィンド!」(50,回復 最大得点の50%)(小鳥遊風花、残り623点)(青澤天、残り714点)(焔煌輝、残り852点)

と唱えた。小鳥遊さん以外の点数が回復した。

「最大得点を超えて回復することはないんだな」

「そうみたいだね。小鳥遊さん、ありがとう」

「どういたしまして!私より二人の方が活躍できるから!」

「よし、とりあえず、今の戦況を確認しよう。誰が行く?」

「俺が行く」

「オーケー。五分で、クリムゾンクラス、スカイブルークラス、ビリジャンクラス、アドバンスクラスに見つからないようにできる限り回って、こっちに戻ってきて。くれぐれも、《見つからないように》」

「わかった、行ってくる!」

「煌輝君、グッドラック!」

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