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蒼雷の高翔  作者: 氷華 青
14/31

睡眠と伝言

次の日。

「━━━さわ、おい、青澤!」

「天!」

「ん、はい、なんでしょうか」

「授業中だ、いい加減にしろ!調子が悪いなら、保健室に行くか?」

「大丈夫です」

「なら、起きて話を聞け。今日で連続数学授業中睡眠一ヶ月記念日だぞ」

クラスメイトたちにめちゃくちゃ笑われた。もうそんなにか。最近疲れてるからなぁ。昨日も、十一時半に寝たのが間違いだった。

そんな一ヶ月記念日には、他に変わったことはなく、クイ研に参加しようと思っていたが、ある約束を思い出して、教室にとどまった。

「よっ!」

「おう、村詩」

「おっす、天」

「おう、夕辺」

「あ、君たちが村田君と緋空君かぁ」

「あ、はい」

「敬語ってのもなんだし、敬語じゃなくてもいいよ!」

「お、おう。君が、小鳥遊さん?」

「そうだよ。風花って呼んでね!えっと、優詩と夕辺って呼んでもいい?」

「俺はいいよ」

「俺は━━━できれば村詩って呼んで欲しい」

「あ、そうなんだ。よろしくね、村詩と夕辺!」

「あたしにもそのルール、適応ってことで大丈夫?あ、あたしは美辻弦歌。弦歌って呼んでね」

『オッケー、よろしく、風花と弦歌!』

「よろしく。あ、来たきた、『ここ』!」

「ごめん、遅れて」

「たった一分じゃん、みんな全然気にしてないよ!」

「じゃあ、今から色々なこと決めていくけど、三十分もかからないから、大丈夫だよね。えっと、じゃあ、弦歌がリーダーってことで、いいんだよね?」

「あたしが誘ったんだから、あたしがこのバンドに関しては責任を負う」

「いいよ。もともと、僕はリーダーに向いてないし」

「お願いね、弦歌!」

「じゃあ、今から弦歌に進行を移すね」

「うん。えっと、これは、風花と決めたこのバンドの唯一のルールなんだけど、メンバー同士は名前で呼び合うことだけは統一したい」

「いいけど、何か理由とかがあるの?」

「うん。仲間として結束を高めないと、音楽って成り立たないと思うから」

「あー、いいね!」

「だが、その理由ならば、俺のことは村詩と呼んでくれ。その方が、俺は仲間だって思うことができるから」

「わかった、村詩」

「ちなみに、このルールを知らなかったのは『ここ』だけね。ここが来るちょっと前に、先に五人で統一したんだ」

「えー、そうだったの!まあ、いいや」

「あと、練習日を決めたい。いつがいい?」

「うーん、次の日曜日は?陸上部は部活ないから」

「バド部は部活ないよ」

「サッカー部は部活あるんだ。あと、もうすぐテストだから、テスト終わりにしたいんだけど、テスト終わりの日曜日ならどう?」

「あ、そっかぁ、期末テスト!」

「まさか、忘れてるなんてことは………?」

「ありけり」

「マジか」

「風花がだいたいどんな人かはわかった」

「え、ちょっと、こんな私をわからないでー」

初対面だというのに、和やかな雰囲気が漂う。このバンド、成功しそうだ。

「その日なら、バド部はオッケー」

「私も!」

「ってことで、初練習はその日で。その前に、風花はコーラス大会の練習も兼ねて自分でボイトレ!天は、もうギター買った?」

「まだ、買ってない………。けど、今週末には買うから、安心して!」

「わかった。ここと村詩と夕辺は、それぞれ自主練で!夕辺は、お姉ちゃんがドラムできるんだっけ?」

「ああ」

「じゃあ、できればお姉ちゃんに基礎から教えてもらって」

「わかった」

「村詩は自分で出来ると思うから、まずは曲を決めないと!四曲やりたいんだよね」

「じゃあ、二曲カヴァーして、二曲オリジナルっていうのは?」

「オ、オリジナル!?」

「オリジナルのほうが、なんか、燃えない?誰か、曲書ける人いないかなぁ」

「じゃあ、あたしが一曲」

「他にいないなら、言い出しっぺの私が一曲書く」

「じゃあ、これで決まりだね!カヴァー曲はチャットの投票で決めよう。これで終わり、解散!」

「お疲れー」

「これから頑張ろう!」

「おう!」

「村詩、カヴァー曲何がいい?」

「歩きながら話そうぜ」

そして、僕と村詩はクイ研に、夕辺はバド部のランニングに、それぞれ向かった。女子三人は、まだ教室に残っていく様子だ。


つるか『カヴァー曲の投票作るね』16:23

つるか さんが投票を作成しました 16:26

つるか『みんなの実力がよくわからないし、どんな風に成長するかもわからないから、色々な難易度の曲を対象にしたつもり』16:26


投票の対象となっていた曲は、あの日僕らが歌った、『平和の印を掲げる歌』と、『運命の人が自分じゃない歌』、その他にも、米津さんがある有名俳優兼歌手に提供した、英語では『Look for mistakes』となる曲だったり、その有名俳優兼歌手が自らギターを弾いているミュージックビデオで有名な歌だったりと、たくさんのJPOPがあった。さらには、ヴォーカロイド楽曲もあった。さらに、弦歌自身が判断したギターの難易度も、楽曲名の横に書いてあった。


つるか『あと、考えてるのは、出来る人だけでいいんだけど、メンバー紹介のときにちょっとだけ好きな曲を演奏するっていうことなんだけど、やりたい?』16:26

村詩『俺はやりたい』16:28

こころ『私も!』16:28

Fuka『じゃあ、私はそのとき、司会するね!』16:31

天『余裕ができれば、僕もやりたい』16:32

夕辺『俺も』16:35

つるか『じゃあ、決まりだね!曲はもう決めても練習してもいいけど、メンバーには秘密。天と夕辺は、今から頑張ろう』16:36

天『おう!』16:37

夕辺『おう』16:38


コーラス大会まであと一週間。そして、今日は期末テスト一日目。前の日曜日にギターを買ったけど、テストのせいで一時間くらいしか触る能わざりけるなり。さて、今日からはまた、あの壮絶な点の取り合いが始まるわけだが、誰がこの先の勝者を知っているだろうか、いや、誰も知らない。ちなみに今日のテストは古典ではない。


ダメだ、勉強したとはいえど、難しい。しかし、テスト期間というものは早く過ぎ去るものだ。


一瞬だったはずだ。そう、一瞬。英表のテストのリスニングは五分余りかかっていたが、とにかくテストなど一瞬なのだ。それより長いのは、テスト返却までの待ち時間。すごく長い。テスト終了後一週間で返してくれるのだが、それでも長い。月曜日の朝に全部返して欲しい。結局、全て返って来たのは木曜日だった。結果は、828点。ドバイのブルジュ・ハリファの高さは828メートルだったはず。Layerに、智楯君の点数報告をお願いしたのだが、その早いこと。アドバンスクラスは、水曜日の三限目には全て返って来るのだが、Layerはそのヘルメスの超情報伝達能力で、水曜日の三限目、始まって七分で伝えてくれた。僕のトランスミッションと同じように、脳内に直接送り込むのだ。901点。やはり、彼は強い。彼は理系のはずなのに、今回は文系科目のほうが取れているようだ。Layerから送られてきた情報の中に、現代文96点、古典100点、現代社会98点、世界史100点というレベル違いなものがあった。ただし、数学は僕の方が勝っていた。何故だろうか。中間テストは、彼は数学がどちらも100点で、現代文や古典が70点や80点だったのに。これには何か理由があるはずだ。




コーラス大会まであと二日。今日は、コーラス大会直前にあるバトルイベントの日だ。以前、天から、クリムゾンクラスの織田が、変な瓶を持っていたということを聞いた。それを探ってみようと思った。

「さぁ、みんな!第二回のバトルイベントだ。計画は、よく知っている青澤君に任せる」

「わかった。まず、煌輝と剣人と勇と流雨は、遊撃部隊として、色々なことに動いてほしい」

「なんでもいいのか?」

「サボるとかがなければ。バトルイベントでのピンククラスの勝利に貢献出来る行動であれば。その判断は、流雨がしてくれる」

「任せてくれ、青澤君」

「よし、次に、先発部隊十人。部隊長は弦歌で………」

全ての役割の割り振り発表が終わった。今回の計画の重要人物と言えば、天と風花と弦歌、そして俺。脳内に直接メッセージが届いた。こんなことをするやつは俺の知る限り一人しかいない。

『煌輝。君には、絶対にやって欲しいことがある。織田さんの瓶のことを、探って欲しいんだ』

急だったこともあり、最初は驚いた。そして、あまりにも俺の願望とクラスの勝利が結びついたので、笑みが零れてきた。

『その顔をしているってことは、やってくれるんだね?』

俺は頷いた。

「どうしたんだよ、煌輝」

「ん、いや、なんでもねぇよ」

「ホントか?急に頷いたろ?」

「ホントだよ」

『それと、この計画は、君と僕と、風花との秘密にして欲しいんだ。何とかして、他の遊撃部隊の三人にはバレないように。もちろん、他のクラスメイトにも』

俺は、天の方を向いて、少し眉を顰めた。

『どうしてかって?理由は簡単。あまり多人数で動きたくないんだ。だから、お願い』

俺は、今度は勇にバレないように、目で頷いた。

『ありがとう。成功を祈るよ。できれば、たぶん部屋だと思うから、その部屋のものを持てるだけ持ってきて』

『一学期期末バトルイベント、只今より開催します。皆さんの健闘を祈ります』

放送が鳴り、先発部隊十人は真っ先にネイビークラスへ。クロガネが、弦歌に何かを投げた。

「フォージ・ギター(250,最も近くの一定量の金属をギターに変形)!」

クロガネは、自分の持っている鉄屑を大半使って、カッコイイギターを作り上げた。

「ありがと、クロガネくん!」

「おう!」

そして、俺たちはフロントラインを外れ、少し離れた場所へ向かった。




「天!先発部隊、残り三人!」

剣人にもらったギターを弾きながら、弦歌は言った。ここであなたはこう思うだろう。バトルイベント中になぜ、彼女がギターを弾いているのか。それは、彼女の能力の為と言うに尽きる。彼女の能力は、弁財天だ。音によって、攻撃を加える。だから、楽器が必要なのだが、本物を使う訳にもいかないので、作戦会議中に弦歌が提案したのだ。おっと、こんなことを説明している暇はない。

「わかった!先発部隊、撤退させて!」

「了解!」

作戦の通り、フロントラインが厳しくなったら、通常はそこに人員を増やすのだが、僕は退かせることにした。次に動き出すのは、中堅部隊十人、のはずだった。しかし、

「天!前方のドア、突破された!」

「防衛部隊、お願い!」

「頑張る!」

防衛部隊の部隊長は、風花だ。防衛部隊は十五人。見る限りの敵勢は、二十人。

「先発部隊、防衛部隊の援護を!中堅部隊は作戦通りに!」

『イェッサー!!』

しかし、徐々に押されてきているのが見えてきた。

「先発部隊、あたし一人!」

「防衛部隊、残り八人!」

「中堅部隊、残り四人!」

「弦歌は休んで!風花は作戦に移って!中堅部隊は、もう少し耐えてくれ!」

『了解!!!』

向こうも、中々の痛手を負っているようだ。

「ネイビークラス、残り十三人!」

「攻撃部隊、残り五人!」

たぶん、攻めてきたのはパープルクラスだ。中間テストでも、攻めてきたから。

「天、通れないよー」

「わかった。作戦とは違うけど、僕が道を開ける」

「うん、お願い」

攻撃部隊に向けて、雷霆スマッシュ(15,150)を放つ(青澤天、残り753点)。相手の点数はだいぶ減っていたらしく、全員倒れた。

「ありがと、天!追い風ブースト(15,速度アップ)!」(小鳥遊風花、残り736点)

そして、彼女は作戦の遂行に向かった。

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