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蒼雷の高翔  作者: 氷華 青
13/31

歌唱と架橋

今日も授業という睡眠時間(特に数学)が終わり、紺野先生にまた怒られ、放課後。そろそろコーラス大会の練習をしなければならないということで、今日は初練習をした。三部合唱の編成で、僕は男子パートのリーダーをさせてもらった。中学時代は吹奏楽部に所属していたので、音楽に関しては少し詳しい。

「はーい、じゃあ、男子は練習始めよう!」

「おう」

というクラスメイトもいれば、知らぬ存ぜぬでスマホゲームをする者もいる。僕は溜め息を吐きそうになった。そのとき、横で誰かが一歩前に出た。

「いいか、テメェら。今は練習の時間だ。練習しねぇ奴は━━━」

煌輝は、一番近くにいた、以前彼が僕を机に叩きつけた時に、剣人(クロガネ君)と一緒に煌輝の後ろにいた、迅雷(じんらい) (ゆう)(ヘラクレス)のスマホを取り上げ、

「━━━こうだ。」

何の躊躇いもなく熱を加えてただの溶けた鉄の塊にした。みんな呆気にとられて、開いた口が塞がらなかった。

「おい、どうしてくれんだよぉ、煌輝!何で俺なんだ!他にもいっぱいいるじゃねぇか、スマホ見てた奴!」

勇が泣いて煌輝にしがみつく。煌輝は笑みを浮かべながら、一瞬でスマホを直す。そう、忘れていた、彼の復元能力。

「あ、ありがてぇ」

「練習中は二度と━━━」

「━━━スマホは触らない」

煌輝が言おうとしていた言葉を、ある意味悟りを開いた勇が途中から紡ぐ。

「ただし、俺はスマホで歌の歌い方を調べていたんだ」

「横持ちしてた奴が良く言うぜ」

「なっ!バレてたのか」

二人はいつも通り、笑っていた。そして、誰もスマホを触るクラスメイトはいなくなった。CDをかけて、コブクロの『未来』が流れる。男子は、スマホを触っていた割には上手かった。聞こえてくる女子の声も、とても上手だ。これは、賞を取れるかもしれない。

そして、一時間程の歌練が終わり、遅れてクラブに行く。

「おう、天」

「やあ、夕辺。ちょっと話があるんだ」

「ん、何だ?」

「文化祭でバンド発表をするんだけど、一緒にやらない?」

「いいじゃん。何の楽器でやればいい?」

「できればドラム」

「オッケー、ドラムなら家にある」

一人目の当てが何故彼だったかというと、彼はその長身とセンスで、運動も芸術系もなんでも出来そうだったからと、彼の姉は吹奏楽部でパーカッションだったと聞いたから。とりあえず、一人目確保。そして、もう一人もバドミントン部だ。

「村詩。ギター得意だよね?」

「まあ、得意って程でもないが」

「文化祭でバンドをやるんだけど、入ってくれないかな?」

「もちろん、断る理由なんてない」

「ありがとう、でも、やって欲しい楽器はギターじゃないんだ」

「何をやればいい?」

「ベース」

「なら大丈夫だ。ちなみにメンバーは?」

「それは俺も気になるところだ」

「えっと、ピンククラスの僕と、小鳥遊風花と、美辻弦歌と、スカイブルークラスの佐倉心と、夕辺と村詩」

「女子三人はよく知らんな」

「心は、バドミントン部だよ?」

「どれどれ?」

「ほら、あそこ」

僕は、二つ隣のコートで練習している心の方を指す。

「ああ、あの子か」

「もしかして、狙ってたり?」

「ないない」

「俺もないわ」

彼女は別に不細工なわけではないと思うが、彼らの視点と僕の視点とは、当然違う。さて、これでバンドメンバーは集まったのだから、明日は風花に報告しておかないと。


翌日。

「風花、バンドメンバー集まったよ!」

「え、本当?誰、だれ?」

「ベースがパープルクラスの村田優詩で、ドラムがアドバンスクラスの緋空夕辺」

「わかんないなぁ、まぁ、とりあえず、チャットのグループ作ろっか」

「うん」

その日の学校生活では、歌練以外は普段と変わらない、いつも通りの日々を過ごした。


Fuka『あ、全員集まったね!このバンドのヴォーカルの小鳥遊風花です、これからよろしくーーー!こんな感じで最初は自己紹介していきましょー!』21:34

天『ギターの青澤天です。僕は全員のことをよく知ってるので、最初は架け橋になれたらと思います。これからもよろしく!』21:37

つるか『ギターの美辻弦歌です。これからよろしく!』22:03

こころ『キーボードの佐倉心です。よろしく!』22:07

村詩『ベースの村田優詩です。一応ギターとベースはよくわかってます。よろしく!』22:12

夕辺『ドラムの緋空夕辺です。この中では一番練習不足だと思うので、自主練頑張りたいです。これからよろしく!』22:23

Fuka『よし、みんな済んだね!とりあえず、明日少しの間だけ集まって欲しいのだけど、ピンククラス前に16:00で大丈夫かな?』22:32

こころ『オッケーだよ!』22:40

天『オッケー』22:41

村詩『了解っす』22:52

つるか『オッケー!』23:03

夕辺『わかりました』23:15


もう連絡もないようだし、早く寝よう。

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