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怪力男の現彼女と四人の歴代彼女たち  作者: 音無威人
あくまで序章に過ぎない

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6/10

釈然としない決着

「横殴りの雨」

 ダサ男は拳を構えた。突然、力男(りきお)が吹っ飛ぶ。殴る音だけが、辺りに響いた。見えざる攻撃、まさかさっきの三位一体攻撃もこの技で。

「英雄なら、これぐらい避けろよ」

 余裕をぶっこいているダサ男、その背後を使子(じぇるこ)が取る。

「拳血」

 彼女の拳が、ダサ男の背を貫く。

「ぐっ」

 前のめりになるダサ男を、剣下量声刃(けんかりょうせいば)が捕らえた。声の刃が体を切り刻む。

「ぐあっ」

 追い討ちをかけるように、力男(りきお)刃連武(ハーレム)が襲い掛かる。

「ぐおっ」

 こいつ、ダメージボイスのバリエーション少なすぎとナレーションは思った。

「ダメージボイスってなんだよ」

 地面に倒れながらもツッコミを忘れない。そんなダサ男をフルボッコ。

「細マッチョップ」

「拳血」

「集中口撃」

 ダサ男は力男(りきお)使子(じぇるこ)のカップルにボコボコにされた。

「ひれ伏すのはてめえだって言っておいて、ボコボコにされるのはどんな気分?」

 精神攻撃も忘れない"私"。マジ、ナレーションの鑑。

「おかっ……しいだろ。どう考えてもっ、タイマンの流れだったろうがっ」

 息も絶え絶えといった様子で、ダサ男は声を上げる。ナレーション、バカだから流れとか分かんない。てへっ!

「くそっ、ちょっと可愛いじゃねえか」


「――!」

 はっ! やってしまった。ダサ男は悶絶を打っている。

 可愛いなんて言うから、つい急所を蹴り飛ばしてしまった。思い切り。

「うっ」

 力男(りきお)まで痛そうにしている。男の急所はそれほど痛いのか。

「あの、この人、気絶してませんか?」

 使子(じぇるこ)の言うとおりだった。ダサ男は気を失っている。

「これで終わり?」

 力男(りきお)が唖然と呟いた。なんだこの終わり方は。勝ったのに釈然としない。

「えっと、終わったんなら、とりあえず降りません」

 使子(じぇるこ)たちは、比翼連理の丘を一段ずつ降りていく。"私"は釈然としない気分をぶつけるかのごとく、ダサ男の顔に落書きをして、彼女たちを追いかける。






 比翼連理の丘を降り、周囲を見渡す。枝階段の破片が飛び散っていた。

「みんな……」

 使子(じぇるこ)は悲痛の表情を浮かべる。

「僕が捕まらなかったら、こんなことには」

 力男(りきお)は歯を食いしばり、血が滲むほど拳を握っている。見てられない。

「落ち込む暇があったら、彼女たちを探せ」

 "私"は彼女たちが死んだと思っていない。死んだと思いたくない。希望を捨てたくはなかった。

「そうですよね。そう簡単にやられるはずありませんよね」

 使子(じぇるこ)はばっと顔を上げ、枝階段の破片をどかし始めた。

「ナレーションも手伝おう」

「僕も」

 "私"たちは希望を胸に抱き、彼女たちの姿を探した。

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