死神とゲーム
僕は、ひょんなことで死んでしまった、大学生です。
今、僕がいるのは、天国でも地獄でも無い無の世界です・・・。
「田中太郎さんですね?」
「・・・・はい。」
ふと見ると見知らぬ男性が立っていた。
普通のスーツを着た男性・・・、誰なんだろうか?
「あの、あなたは・・・?」
「おっと、申し遅れました。私は、死神です。」
死神?あの死神??死神と言えば、鎌を持っていて骸骨みたいなのが黒いマントをかぶっていると思っていたのに普通のスーツを着た人とは、ちょっと驚いたがもう死んでいる身だから、そんなに不思議でもない。
「で、死神さんがなんの用ですか?」
「えっとですね・・・、あなたが天国に行くか、地獄に行くかを決めにきました。」
なるほど、ここで決めるのか・・・。
と言うことは、ここは、死んだ人が天国か地獄に行くかを決める場所ってことか。
やっと謎が解けた。
「どうやって決めるんですか?」
「私とゲームをして、勝ったら天国、負けたら地獄に行ってもらいます。」
ゲーム・・・、
普通なら生きている時に、いいことをしていた人が天国で、悪いことをしていたら地獄に行くと思っていたが、本当は【ゲーム】で決めるのか。
少し意外だな・・・・。
「なんのゲームで決めるんですか?」
「ゲームの名前は、ストリートファイターです。」
ストリートファイターってこれはさすがに凄く驚いた。
死神とストリートファイターでバトルとは・・・・。
「では、さっそくやりましょう。」
と死神が言うと目の前にいきなりストリートファイターのゲーム台が置いてあった。
だがこのゲーム、勝てる自信がある。
高校時代、学校をサボってよくやったものだ。
僕は、席に座った、さあ、死神の実力はどんなものなんだろうか。
「では、ゲームスタートです。」
「私の勝ちですね。はい、地獄に決定ですのでこちらの穴にどうぞ。」
「え?もう負けたのか?ちょっとなんなの???」
たしかにゲーム画面には、死神が選んだキャラが勝ったと表示されてる。
でもなぜ??????
コントローラに触った覚えも無い・・・・・。
どうなってんだ?
「はやく、穴にどうぞ?」
「な、な、なんでだ!こんなの卑怯だ!!どうなってんだよ。」
そんな言葉もむなしく、僕は、穴に・・・・・・・・・・・・。
「あなたが、山田健二さんですね?」
「・・・・はい。」