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真実  作者: 南波航助
6/7

6:真相

「う・・・・・・」




俺は赤いワゴン車の中で目を覚ました。

どうやら寝てしまったのだ。

「やばっ、朝になっちまった」

今頃後悔してももう遅かった。昨日お願いした氷をもらいに行かなければ。

と思ったとき、携帯がなった。




「もしもし」

「三田さんですか」

アイスマンの社長のようだ。

「そうです。あ、氷のことですね」

「そうですそうです。出来たので、取りに来て頂いてもいいですか?」

心の中で、喜んでいる。

「はい。あの・・・・・・いくらですかね?」

ここが一番気になるところだった。

「良いですよ、良いですよ。刑事さんのお願いですし。これで殺人事件が解決するのなら」

俺は一瞬顔色を変えた。おかしい・・・・・・

「ありがとうございます」

平静を装ったが、社長の言葉のおかしな点を見つけてしまった。

「ではお待ちしております」




電話が切れた。

「なるほど、やっぱりな」

俺は、社長の発言のおかしな点を考え込んだ。

アイスマンの社長には、殺人事件のことなど一言も言っていなかった。

しかし、彼は殺人事件が解決するのなら、と何故か知っていた。

社長も、共犯だ。そう俺は思った。確信ではないが、この可能性にかけるしかない。

「社長を問いつめてみるか。今日受け取るのは、ただの氷だな・・・・・・」

俺は社長に何を問いただすか、整理した。




数時間後、社長から受け渡された氷は、予想通り極普通のものだった。

普通の氷が大きくなっただけのものだった。

とりあえず礼を言ったが、これから社長を問いただす。

「社長、これ・・・・・・偽物ですよね」

単刀直入に言った。

「何でですかぁ、刑事さん」

「あなたはさっきの電話で、殺人事件が解決するならと言った。私はね、殺人事件のことなど何も言っていないんですよ。どうしてです?」

「そ、それは・・・・・・」

社長は困り果てた様子だった。

「それは、ただ、警察が調べてるなら、殺人事件かと思いまして」

「本当ですか?」

「えぇぇええ・・・・・・」

汗を流し始めた。

「本当のことを言わなきゃ、あなたも共犯ですよ」

「そ・・・・・・そんな」

「如月真之介にナイフが差し込める氷を作るように、言われたんじゃないのか!!!」

俺は強気に叫んだ。ここで打って出なければ、相手は乗ってこない。

「えぇ・・・・・・あぁ」

「しらばっくれるな!」

「その・・・・・・えっと・・・・・・すいませんでした。嘘を、つきました」

とうとう社長は白状した。

ことの真相を、社長から話して貰った。

こういうことだった。如月真之介が話を持ちかけてきたのだという。天井にセットでき、ナイフが挟めるような氷を作って欲しい。細かい構造まで指示されたという。両サイドに細長い棒を立て、水滴が真下ではなくサイド方向に落ちるようにしたというのだ。作ってくれれば今後とも良い付き合いをすると言われたらしい。なんて計画的なのだろうか。後日、本当の氷を渡すと話した。




「やっぱりなぁ」

俺は車の中で決定的な証拠を握ったうれしさを表した。

「社長の証言と、氷さえあれば・・・・・・如月を逮捕できる!」

俺はそう、確信した。

その時だった。携帯が鳴った。この音楽は、浅野だ。



「もしもし、浅野か?」

「そうです」

やっと話すことが出来た。

「どうした?」

「川野の証言を得ました」

「どういうことだ?」

「川野を騙してみたんです。如月は逮捕された、だから小学校のときのことを全部話して欲しいって。そしたらですね」

「うんうん」

「如月裕也は、多田先生が殺される前日。クラス全員にこんなことを言っていたそうです。

完全犯罪は存在する、多田先生を殺す、って」

驚きのことに俺は仰天した。

「つまり、クラス中に・・・・・・俺が犯人だって言ったってことか?」

「そうです。他の人の話でも、そんなことを言っていたらしいんです」

浅野、でかした!と俺は心の中で思った。

「良くやった!俺もな、氷のことから如月が犯人だということを突き止めた」

「やったじゃないですか!」

「おぅ。じゃあ署で待ってる」

「分かりました」




事件は解決したんだ。犯人は如月で、父親も協力していた。

それで終わりだと、俺はそう確信していた。


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