勇者召喚完了 日常は終わりを告げる
今回は勇者側召喚までの流れを書きたかっただけです。なのでとても短いです。正直読まなくてもストーリーに支障は無いと思います。それでも読んでくれると言う方は、ゆっくり読んでいって下さいね。
これは勇者召喚が完了する二日前の話。
ーーーーーーーーー元の世界ーーーーーーーーーー
この日私は二週間後のテストに向けてテスト勉強をするために図書室へ向かっていた。因みに私の名前は中川志という。
この時期はテスト勉強期間なので、全ての部活が休みになり、放課後の課外授業も無いので、皆家に帰る為、放課後の図書室は勉強にはもってこいの静かな空間なのだ。
それに加えて、図書室には常に学年トップ5に位置している彼がいる。分からない問題等があれば、彼に訊くと先生より分かりやすく教えてくれる。
だから私は今日も図書室にいる彼こと白崎颯人に数学の問題の解き方を訊きに行ったのだ。
私が図書室に入るとやはり彼は何時も通り一番奥の角に座って本を読んでいた。声を掛ける為に近づいて行く。今読んでいるのは広辞苑だろうか?この前は六法全書だったか百科辞典だったか忘れたが、他の人が読まない様な本を読んでいる。
彼に声を掛けようとしたところで突然変化が起こった。彼が光に包まれたのだ。私は何が起こったか理解出来なかった。だが、それは彼も同じの様で戸惑っている。
「なんなんだこれは!」
すると一際輝きが強くなり光が収まった時には彼は消えていた。
「え?え?な、何が起こったの?」
先程まで居た筈の彼は跡形もなく消えていた。慌てて彼が座っていた椅子を触ってみると先程まで人が居た事を証明するような人肌の温もりが残っていた。
「居なくなった?でも、どうやって?」
私の頭は無理解で埋め尽くされていた。鞄等の荷物は残されているので帰って来ないことは無いだろうと思い、横の椅子に座り勉強道具を広げると荷物番がてら勉強を始めた。私は生徒下校時刻になれば帰って来るだろうと思っていた。
しかし、完全下校時刻を過ぎても彼が戻って来ることは無かった。そのまま、荷物を置いて立ち去る訳にもいかない、かといって家まで持って帰る訳にもいかないので、職員室に向かい教室の鍵を借りると教室の彼の机に鞄を置いて教室を閉めた。
翌日になっても彼が帰って来た形跡は無かった。当然の様に欠席扱いで、先生に彼の事を訊いてみても連絡が無いので知らないとの事。言い様の無い不安が私の胸に沸き上がってきた。
私が彼の事を知ったのは中学の頃だ。偶々同じ高校に入った事が分かった時は何故か無性に嬉しかった。そして、彼は私が知った時から一度も学校を休んだり、遅刻をする所を見たことがないのだ。
だが、彼が消えた事など言える筈もなかった。その為、その日の授業は全く耳に入らなかった。そんな私を気遣う周りの気遣いが痛い。
私はそれにも上の空で答えていた。そうこうしている内に何時の間にか学校が終わっていた。
当然図書室で勉強する気など起こらず、帰りのHRが終わると直ぐに家に帰った。
家に帰ったが、居なくなった彼の事が心配で、何もしようとは思わなかった。何もしたくないので早く寝ようとしたが、つい彼の事を考えてしまい寝る事が出来なかった。そのまま朝を迎え寝不足の体を引きずって学校へ向かった。余りにも体が気怠いので、机に突っ伏していると、突然教室が騒がしくなった。
何事かと思い顔を上げると教室の床全体に魔法陣が浮かび上がり光を放っていた。その光に私は見覚えがあった。彼を飲み込んだ光と同じ光だったのだ。
その時クラスの誰かが
「これは異世界召喚だ!」
と叫んだ。
私は働かない頭でぼんやりと彼も同じ様に召喚されたのかもしれないなぁ、等と考えていたら魔法陣の輝きが強くなり私の視界は白く塗り潰された。
視界が回復して目に入ったのは、手を組み此方を見上げる神父の様な人達とシスター達だった。
何となく視線を巡らせると黒いローブを着てフードを目深に被った人と、その隣にいる二人の少女がいた。ローブの人はフードを被っている為顔が良く見えないが、体格から判断すると、恐らく男の人だろう。
私が情況の把握を行っていると、豪奢な服を着た一人の女性がこう言った。
「勇者様方、ようこそお出でくださいました。どうかこの世界を救って下さい」
勇者?私達が?世界を救う?いきなり何を言っているんだこの人は?私は争い事は嫌いなんだけど・・・・。でも、喜んでる人も何人かいるみたいだ。やっぱり男の子はこういうのが好きなのかなぁ?
私には理解出来ないや。
今日体育でサッカーをやったんですけど、友達がファウルされて凄く不機嫌になっていて飛び火が凄く怖かったです。現に机に八つ当たりしてましたしね、それだけです、はい、どうでもいいですよね。すいません。
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