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legend stone ~伝説の意志~  作者: 田中稚夏
”十一章”  遂に揃うレジェンドストーン 光と闇の戦い(上)
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恐怖との戦い

 今の狂った神共とは違う。まだ神界にも、正義があった頃だから。

 神が神以外の存在と争うのは、許されてはいけないことであった。

 それでも私は、人間を救いたいと願う。羅刹は、自分がどうなってでも私の願いを叶えたいと思ってくれる。

 そして調べて貰ったんだ。

 神の中の神、鬼神のその中の大ベテランであるトップ。大神様の次に偉いと言われる存在。

 そんなお方が、我が儘に応じて調べてくれた。

 羅刹の素直な想いに応じて調べてくれた。

 彼としては、ルールを破るような真似はしたくないと思っていただろう。だから、本気で何か止むを得ないとなるような事情を探した。

 どんなに探しても、見つかりはしなかったのだが。

 何より大神様が、あいつのことを正式に悪と定めた。全てを知る大神様でも、あいつのいいところを見つけられはしなかったと言う。

 スペックは低くないのだから、それを守る為に使えればよかったのに。

 あの力、守ることも出来るあの力。ヒーローにもなれたかもしれないのに。

 悪と言う道を選び、全てを敵に回した。人々を苦しめ、仲間と慕ってくれた魔物も殺し。何もかもを殺し尽くそうとし、神によって裁かれた。神によって裁かれる予定であった。

 しかしその前に、私があいつを殺した。

 それによって、私は神としての資格を失う。その上、あいつの罪が少し緩和されてしまったのだ。

 だからこそ、私の手であいつは裁かないといけない。今の神界に革命を起こし、私は私の力で神となる。

 そして新しい神として、あいつを裁かないといけないんだ。

 それが私による罪滅ぼし。

 神として絶対にしてはいけないことを私はしてしまった。そんな私に、神となる資格はない。資格を奪われ腹を立てていたけれど、よく考えれば当然のこと。

 でももう大丈夫。

 人間として孤独に何千年も生き続けた。神の力こそ失ったものの、老いが早くなる訳では無い。

 若き姿のままであることに疑問を持たれてしまうので、数十年すら同じところに滞在は出来ない。一人旅を続ける、苦しい日々であった。

 その日々を終わりにしてくれた羅刹。もう一度私の為に、全てを捨ててくれた羅刹。

 その為にも、私は絶対に勝たないといけない。平和の為に戦うのは可笑しいと訴え続けた私だけれど、戦わないといけない。

 全てを取り戻す為、全てを守る為、狂った世界を変える為。

 私は覚悟しないといけないのである。

 悪と呼ばれることを恐れてはいけない。笑いものとなることを恐れてはいけない。大好きな人間に恐れられることも、恐れてはいけない。

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