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legend stone ~伝説の意志~  作者: 田中稚夏
”一章”  滅ぶ町 陽香の旅の始まり
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背後の妖気

「陽香お姉ちゃん、おはようなのです」

 私が座って考えていると、まどかも目を覚ましてしまった。

「おはよう、さあ急ぎましょう。せめて、新しい町が滅ぶのを止めるくらいは、しないとよね」

 私が、守るなんて…。そんなことを言っていること自体、信じられないわ。

「はいなのです。まどかたちが、守るなのです」

 そう言って立ち上がろうとするまどか、しかし…。クソ…!どうゆうことよ。まどかの後ろに、妖怪が見えた。

 取りついている、のかしら。それもたちが悪い、少しずつ体力を吸い取るタイプだわ。

 そうゆう奴は完全に体に入っちゃうから、追いだすことが困難なのよね。取りつかれた側の体に負担を掛けずに、追いだすことなど不可能なくらいだわ。

 まどかみたいな少女じゃあね、正式なお祓いをすれば死にはしないだろうけど…。

「ほら、何をしているの?早く行くわよ」

「早く行くなのです。でもなんか昨日に比べて、体が重い気がするなのです。陽香お姉ちゃんは、疲れてないなのです?」

 そうか、体が重いだけなら疲れと取ってしまうわよね。人間に妖怪は見えないし、明らかに不自然なら気付く。そうゆうのも、このタイプの妖怪の悪いところ。

 ああ、やっぱり寝るんじゃなかったわ。どうして私は、あんな危険な所で眠ったりしたのだろう。それも最初の時点で、まどかも無事とか思ってしまったし。

 でもそんなはずないじゃないの、暢気に外で子供が眠っているのよ?妖怪にとって絶好のエサ、美味しく戴かれちゃうわよねえ。

「疲れているわ、だから早く街に行きたいんじゃないの。またこんなところで野宿なんて御免だわ」

 私はまどかが心配だったから、早歩きでさっさと歩いて行った。

「陽香お姉ちゃん、どうしたなのです?早いなのです」

 ええわざとそうしているのよ、体が重いと言われているからね。そりゃまあ、早歩きして貰わなきゃ困るわ。

「だから言っているでしょう、急いで行くわよ」

「えっ、あっはいなのです。でも何か、追いつけないなのです」

 まどかは一生懸命走ろうとしている感があったが、普通に歩く程度のスピードだった。このままじゃ、体力は持たないでしょうね。さて、どうしましょうか。

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