表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
legend stone ~伝説の意志~  作者: 田中稚夏
”十章” 花とリボン 光の魔物召喚
85/150

嫉妬に狂い

「短い一生とは失礼だな。ストーンの力はお前が一番分かっている筈だっ!」

 ええ、ストーンの力なら十分承知している。使い方によっては、永遠に生き続けることだって可能でしょう。全てを壊してしまうことも可能だと思うわ。

「そしてほぼすべてのストーンを回収し終えている。最後のストーンをお前らが持っているのは分かっているんだ。それを奪い取れば終了、私の世界」

 まだ神にならぬ存在が、元々神である私たちに勝利できるとでも? それも二対一、調子に乗るのもほどほどにして欲しいわ。

「二対一ではありませんよ? 二対二です」

 どこからか声が聞えてきた。幼い子供のような声であった。

「どこを見ているのですか? もしかして神はその程度なのでしょうか」

 気配も感じなかった。いきなり攻撃が飛んできて、悠馬は慌てて避ける。

「梨乃、お前を呼んでなどいない」

 そう言う凜子の低い声で、私たちに飛んでいた攻撃がやむ。そして凜子の隣に梨乃が現れたわ。

「貴方が夜叉姫様であることは分かっているのです。しかし、貴女の目的が分かりません。姫神様を発見することは来ました、そして本来のお姿も取り戻して貰っています。それなのに、どうしてまだ貴方は凜子さんのところに?」

 そう言えば、梨乃は夜叉姫だったのよね。でも姿を見る限り、夜叉姫の姿はしていない。だから梨乃と言わせて貰うわ。

「私はずっと聞いていたんです。貴方が姫神様に告白するところもっ! 約束したのに、酷いではありませんか……」

 約束って、何を言っているのかしら。夜叉姫と羅刹で何かの約束を、私に心当たりはないから私がいないところでかしら。

「私たちは友達だって、言ったじゃないですかっ! 私の気持ちだって知っている筈なのに、二人でいちゃいちゃいちゃいちゃ。見せつけやがってムカつくんですよ! 約束したのに、約束したのに……っ!」

 冷静な微笑みを乱して、梨乃はそう叫んでいた。それに羅刹は冷たい眼差しを向けている。

「ええ、友達だと言いました。僕と貴方は友達ですよ? いつまでも」

 その冷たい言い方に、梨乃は完全に取り乱す。攻撃し掛けようとしていたが、正面から戦って羅刹に攻撃が当たる筈がない。ただでさえ夜叉姫ではなく梨乃としての姿でいる。その時点で魔法の威力は下がっているのだ。

 それに、羅刹は神の中でも最強級の鬼神である。正面から殴りかかっても、全て弾かれて終わってしまう。それは分かっているだろうに、何度も何度も攻撃し続けていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ