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legend stone ~伝説の意志~  作者: 田中稚夏
”八章” 光の魔物と闇の魔物
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伝説の始まり

「ありがとうございます。それでは、早速お願いをします。魔界の扉を消すことは出来ますかね」

 本当にできるのかしら。こんな扉、消してしまうことなんて。こうして今現在も闇の魔物が溢れている訳だし、急いだ方がいいとは思うけど。

「試してみます。しかし、可能という保証はありませんので」

 一匹がそう言うと、そいつらは扉へ向かって突っ込んで行った。そして一斉に呪文を唱えていた。しかし呪文を唱え終わっても、扉は消えていなかった。失敗だった、そうゆうことなのかしら。

「命令は最優先です」

 そう呟き、また呪文を唱え始める。そして呪文が終わったとき、扉と共に光の魔物も消え去っていた。私と悠馬が握っていたステッキも、もうなくなっていた。

「魔界の扉を消すことはできました。しかし、もう力を失ってしまうとは。どうしましょう。このままでは、魔王と戦うことなど不可能に決まっています」

 悠馬が不可能っていうんだから、きっと不可能なのでしょう。でも私は、そんなことで諦めたりなんかしたくないわ。何かできないのかしら。

「”legend stone”をお貸し致しますわ。それでどうですこと」

 絶望したような表情で、レジェンド様はそう言った。その瞳に希望はなかったが、希望を探そうとしているようにも見えた。

「危険すぎますね。魔王が全てのストーンを手にすれば、もう僕達に出来ることはなくなります。それを阻止する為にも、”legend stone”だけは守りたいものです。そのような賭け……」

 悠馬は迷っているようだった。妖精たちも躊躇いがあるみたい。でもまあ当然よね。どうせそれが最後のストーンになるだろうし、守り通さなきゃならないわ。

「でも、そうでもしなきゃ勝てはしませんわ。それに、いずれは奪いに来るに決まっていますもの。その時に足掻くのなら、チャンスを狙って挑んだ方がマシじゃなくって? 少なくともあたくしはそう思いますわ」

 なるほど、さすがはレジェンド様だわ。伝説なのは名前だけじゃない、そう考えていいのかしら。私もレジェンド様の意見に賛成しようかしら。

「気を付けなければなりませんからね。警戒を緩めない、それならいいのではありませんか? 出来るだけ、持っているということを隠すことも必要ですよね」

 まあ確かに、見せびらかして悪戯に警戒心を高めさせる訳にはいかないわ。魔王だなんて、そんな生意気な奴はこの私がぶっ倒してやるんだから。

「任せて下さい。隠蔽などは得意分野です」

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