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legend stone ~伝説の意志~  作者: 田中稚夏
”八章” 光の魔物と闇の魔物
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魔物を消す為に

「扉はもう開いてしまっています。だからここに来たのですよ」

 微笑んだ悠馬は走り出した。

「折角来て頂きましたが、急いで山を降りますわよ。急いで下さいまし」

 レジェンド様も後を追って走り出した。レジェンド様が動くだなんて、中々ないことなのよね。こんな山に封印されて、死んだようなものだもの。

「ボーっとしてるんじゃないわよ」

 私も妖精たちに声を掛け、二人の後を追って走り出した。登るときに比べて、何だか体が軽いように感じるのはなぜかしら。すぐに降りて行けるわ。

「ここからは飛行可能ですから、いい降り方がありましてよ」

 微笑んだレジェンド様は、山から離れたところへ飛んで行く。どこへ行くつもりなのかしら。

「ここまで来れば大丈夫ですわ。力を抜いて落ちれば早いでしょう」

 そしてレジェンド様は高速で落下していく。なるほど、それは速そうね。楽に終わるし。そう思い私も落下していく。

「意外に痛かったですわね」

 そりゃそうでしょうよ。

「まあ、時間短縮できたからいいじゃない」

 別に死ぬわけじゃないんだし、急ぐにはいい手段だったと思うわ。

「まず魔界の扉があるところへ連れて行って下さいまし」

「はい、了解です」

 他の妖精たちが来るのを待たずに、悠馬は飛び立ってしまった。

「大丈夫? 急いでね」

 私らしくもない応援の言葉を掛け、私も悠馬の後を追った。

「これは不味いですわね、以前だってここまでではなかったですもの」

 驚愕の表情でいうレジェンド様。以前って何なのかしら。

「はい、相当不味いんですよ。僕のこの姿では、魔界の扉を消すことは出来ないのです。魔物を消し去ることすらできないのです」

 悠馬の元の姿だったら、魔界の扉を消すことは出来るのね。しかし、魔物を消すことくらい出来る筈だわ。消し去ることは出来なくたって大丈夫よ。人数がいるわ、何とか頑張ることくらいできると思うわよ。

「あたくしに任せて下さいまし」

 さすがはレジェンド様ね、たった一言で魔物を消してくれたわ。

「本当に任せて大丈夫なのでしょうか」

 あまりに湧く魔物に、レジェンド様の顔は引き攣り気味だった。その様子を見て、悠馬は心配そうに問い掛ける。

「ごめんあそばせ。遠慮させて戴きますわ」

 確かに、この数を消し去るのは無理でしょうね。たとえレジェンド様だとしても、発生源を何とかしない限り無理よ。

「どうしましょうか。魔界の扉を消せればいいんですけど」

 そんなことが出来るなら苦労はしないわ。開くのを止めるのすらできなかったのに、消すだなんて以ての外だわ。

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