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legend stone ~伝説の意志~  作者: 田中稚夏
”八章” 光の魔物と闇の魔物
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神の特権

 でも悠馬はさすがの悠馬だった。

「そうでしたかしら、ごめんあそばせ。で、ご用は何ですこと? 早く伝えて下さいまし」

 レジェンド様とは言えこの程度か。力を持っているだけで、強いかどうかは怪しいところだわ。様子を見る限り、お嬢様でないのも確かだと思うし。

「力を貸してほしいのです。魔物たちが暴れているのですが、僕ら人間では何も出来ません。妖精たちに集まって貰いましたが、やはり妖精王がいなければ」

 熱弁する悠馬。そしてレジェンド様はそれを怠そうに眺めている。何よ、偉そうにしやがって。本当に偉いのかもしれないけど、物凄く腹立たしいわ。

「あたくしには関係なくってよ」

 それはそうかもしれないけど……。そんなのあんまりじゃないかしら? 助けてって言ってるんだから、助けてくれたっていいじゃない。

「いいえ、そんなこともなさそうですよ。魔界の扉が開いてしまっています。魔界の封印が解けてしまったのですよ? それがどうゆうことか分からないのですか」

 驚きの表情を浮かべ、急に動揺するレジェンド様。この様子だと、以前に魔界の扉が開いたのを経験したことあるということかしら。でもレジェンド様がこれだけ動揺するんじゃ、魔界ってのは本当にヤバいタイプなのね。

「ほんと? それは困る」

 お嬢様ぶるのも忘れて、レジェンド様は慌てて立ち上がった。

「落ち着いて下さい。共に魔王の退治へと向かいましょう」

 悠馬の声に、レジェンド様も落ち着きを取り戻したようで座り直した。

「アイテムは揃えて参りました。魔力が足りない、ただそれだけなのです。レジェンド様、貴方が協力して下されば問題ないでしょう。さあ、共に来て下さい」

 魔王ってのは怪物だけど、倒せないことはないってことね。つまりレジェンド様の魔力があれば、悠馬は戦えるってことなのよね? 死なせたり死んだりしないのよね。

「了承致しましたわ。ただ、そのアイテムというのを確認してからに」

 分かってる。とでも言うように、レジェンド様の言葉の途中で悠馬はステッキを二本出現させた。花のとリボンの、魔法少女のようなステッキだ。

「本物ですこと? やはりあなたは神なのですね」

 神って言うより、持ち主は魔法少女っぽいけどね。だってさ、絶対鬼神なんてごつそうだもん。こんなに武器にしてたら皆ビックリよ? ドン引きよ。

「いえいえ、拾っただけです。しかし、偶々これを扱える者が近くにおりました。それが彼女になります」

 私? もう、いきなり手を向けるから驚いてしまったじゃない。

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