表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
legend stone ~伝説の意志~  作者: 田中稚夏
”七章” 望海の話 開く魔界の扉(下)
63/150

村を探す

「情報提供感謝します。しかし残念ですが、まだ魔王に挑んだところで勝利出来る確率は低いでしょう。危険ですから、懸けはしないタイプでしてね」

 悠馬の言うとおり、まだ魔王に挑むわけにはいかない。憎き魔王が目の前に現れたって、気付かれないようにこそこそ逃げなきゃなんないのね。

「それもそうですね。あんまあぶいことをするのはだめだから、いっぱいかてるときじゃないと……あのおねーさんとってもつおいひとだったんですもん」

 喋り型通り幼い顔に短い黄色の髪、春を連想させる色の綺麗な可愛らしいワンピースを身に纏っている。羽は黄色でやはり薄く透き通っている。羽は片方だけでも体を越える大きさで、形は蝶のような感じなのである。

 この幼い姿、ハートちゃんかしら。一応他人に全く興味がない私だって、妖精の姿を見て誰が誰かくらいだったら分かるわ。

「はい、彼女が強いのは知っています。だって、彼女の力は僕が与えたものだから……。責任を持って僕が片付けないといけませんよね、あの力は……」

 えっ? 今さらっと悠馬、魔王の力は悠馬のものだって言わなかったかしら。でも鬼神なんだったら、普通に魔王の上の位で可笑しくは無いんだとは思うけど。

「まあいいわ、話は村でしましょう。いつまでもこんなとこにいて、見つかったら厄介でしょう? 皆、飛ぶ元気は残っているわよね? だったら着いて来て頂戴」

 いつまでもお喋りしてる場合じゃない、そう思って私は妖精たちの誘導を始める。喜びのあまり話したい気持ちは分かるけど、ここには危険だってあるわ。

「陽香さん、こっちに来て下さい。道を引き返してもいいですが、あの村に行ったって仕方がないでしょう? 捨てられた村の復興、それを目指しましょうか」

 確かにストーンを持ち出しちゃってるんだから、二人の元に帰るわけにはいかないわ。二人とも怒っているのかしら、話なんて聞いてくれないかしら。でも……。

「ねえ悠馬、あの大きな扉はどうなるの? あれって、なんかヤバい奴なんじゃ」

 あれがあるんだから、ずっと放置ってわけにもいかないわよね当然。

「魔界の扉ですか? 確かにあれは何とかしないといけませんね。しかしそれをするべきは、恐らく今じゃあないんじゃないかと僕は思います」

 まあ悠馬が今じゃないって言ってるんだったら、きっと今じゃないのでしょう。悔しいけど悠馬は私より賢いから、きっとそれくらい考えてある筈なのよね。

「そう、だったらいいわ。私は貴方に任せる」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ