妖精救助
「それでは行きましょう。妖精を助けに行くのです」
村人なんかが逃げたことで慌てちゃって、その隙に妖精が逃がされてしまうなんてね。
「あたしのストーンじゃん。おかげで助かったよ、あんがとっ。そんじゃ、あたしの仲間も助けてよ」
スターちゃん? ああ、star stoneだからスターちゃんだけ。でもストーンの力があれば、他の妖精たちだって助けられる筈だわ。
「ええ、勿論です。どこにいるのですか? 案内してくれるとありがたいのですが」
悪い人っぽくて怪し過ぎる悠馬だって、一応助けようって気はあるんだから。だって嘘じゃなくて本当に、妖精や村人を助けに来たんだもの。
「うん、いーよ。最強スターちゃんに任せて」
ニッと笑ってスターちゃんは、手招きしながら飛び出した。私と悠馬もスターちゃんを追い飛んでいると、鳥籠に入れられた妖精たちの姿を発見した。
「酷いですね。妖精に、妖精にこんな……。許せません、絶対に」
珍しく怒りの表情を見せる悠馬。しかしさすがの彼は、その程度で理性を失うほど馬鹿じゃない。
「あたしも、あーんなとこに入れられたの初めてだもん。最初はびっくりしたよ。いっつも崇められてたあたしたちを、あんな狭い所に放り入れるんだもん」
まだ鳥籠に残る仲間たちを見て、スターちゃんも真剣な表情に変わる。勿論私だって許せない。妖精たちは大切にすべき存在であって、でも私だって怒りで自分を見失ったりはしないわ。
「今、じゃないかしら」
下の様子を必死に見ていたのだが、丁度誰もいなくなった。いや一人もいないというわけじゃないのだけれど、こんな騒ぎのなかこんな鳥籠が見えるものか。
「そうですね。陽香さん、スターちゃんとストーンをお願いします。リスクを避けましょう。これくらいの作業、僕の力で何とかします」
妖精たちのところまで飛んで行った悠馬は、鳥籠に手で触れて何かを念じているようだった。そして暫くすると、鳥籠は開いたのである。
「助けられましたよ。よかった、妖精は皆無事のようです。レジェンド様やダークちゃんの姿は見当たりませんが、他の妖精は揃っています」
戻ってくると悠馬は、すぐ私に報告をしてくれた。嬉しそうにそう笑う悠馬の姿を見ていると、素直で優しいいい子にだって見えてくるわ。
「ダークちゃんはいつも、魔王の肩の上に座っているようです。妖精同士で場所は分かるので、魔王の場所を調べることもできますよ? 闘う気はありますかね」
そんな情報をくれるのはブックちゃん。肩に掛かる程度の短い黒髪、見た感じ前髪はピンで止めてあるけど後ろ髪くらいの長さはありそうね。そして眼鏡を掛けていて、服は地味な青のジャージで長袖長ズボン。羽は薄く黒いが綺麗に透き通り、スターちゃんに比べたら少し小さく尖ってもいない。




