一筋の光
そんなことを言って悠馬が微笑んだ頃、やっと私達はストーンがあるところまで到着した。
「ストーンの力は大きい、僕にも制御しきれない程に大きいです」
実に今更なことを、悠馬はわざわざ言ってくれた。
「そんなの分かってるわ。それがどうしたの?」
私の質問なんて無視して、悠馬はストーンの元まで飛んで行きストーンを手に取った。
「陽香さん、この力を使って妖精を救って見せましょう」
戻ってくると、悠馬は力強くそう宣言した。
「ええ、でもどうやって? 妖精がいる場所も分からないし、魔王だってそう簡単に渡したりしないと思うわ」
さすがの悠馬だから、その辺のことも全部考えてるんだとは思うけどさ。
「だから、ストーンの力を使う訳です」
今悠馬が手に持っているストーンは”star stone”よね。確かに力は強力、でも本当に妖精を救えるのかしら。
「随分と不安そうな顔をしていらっしゃいますね。しかし陽香さん、考えてみれば分かることです。妖精たちから寄って来て下さる筈でしょう? 特にスターちゃんなんて、自分が守るべきストーンがあるのです。行きたいと思うでしょう」
そっか。それにスターちゃんは、妖精のわりにかなりの力を持っていたわ。まだ魔力が回復していないとしても、ストーンの持ち主に力を送ることは出来るって訳ね。
いくら悠馬だって堂々と侵入する気はないでしょうから、隠れて来ている時点で魔王の軍じゃないのは分かるから。ストーンを守ってくれてる、優しい人が助けに来てくれたんだ……そう思うかも。
「場所は? 妖精はどこにいるのよ」
まずそこよね。いくらスターちゃんだって、常に「私はここにいるよ」的なメッセージをストーンに送ってる訳じゃないんだから。それにストーンが誰かの手にってことが分かったって、それが魔王の軍の奴だったらとか考えていくらなんでもそんなことはしないでしょうものね。
「陽香さんはstar stoneの力をお忘れですか? ふふっ」
嫌な笑みを浮かべる悠馬。でもstar stoneの力? それって、輝き全てを照らす光。star stoneの力は、明るい笑顔……? 力自体の名前はそんな感じだった筈……。
「光です、輝きです。美しく輝き古代より人々を助けてくれた、救いのストーンなんですよこれは。絶望の中に差し込む一筋の光、これを使って文字通り実行しましょう」
悠馬にしては珍しく、分かりやすく説明をしてくれたわね。
「それじゃあ、早く助けに行きましょう」




