ストーン封印
もっと、簡単なもの……? へえ、どうするのだろう。でも私は悠馬と格差があるような気がして、何だか考えようって気にもならないのよね。
「見えなければいいのです。村が見えないならば、入ろうとも思わないでしょう? だってそこには、何も無いように見えているんですから」
村が見えないならば? 確かに、そうかもしれないけれど……。
「それだったら、元々やっていましてよ? そんなことしたって、魔王からは逃れられませんわ」
そうだったわね。そういや最初聞いたわ、そしてそれでも魔王の軍は来た。
「見えないように魔法を掛けるんじゃありません、見えないようにするんです。完全に消滅させる、そう言ってるではありませんか」
訳分かんない! 望海も歩も、私と同じ気持らしい。
「村を他の世界へ移動することは出来ませんが、村が他の世界にある設定にすることは出来るんです」
だ~か~ら~、訳分かんないっつの! 望海も歩も、まだ気付いていないらしい。
「人間の目に見えないようにすることは勿論、機械や魔物の目でも見えないようにしなければなりません。魔物の目を誤魔化す為には、ここにストーンを置いておく訳にはいきません。魔物の瞳には魔力が映ってしまいますから」
魔力が映るって、そんなの可笑しくない? だって魔力はオーラみたいなものの筈だし、むしろ空気並みだとも言えるんじゃないかしらと私は思うわ。
「でもストーンは、ストーンはどう致しますことっ!? ストーンがないんだったら、村が見えても魔王は狙わないんじゃありませんかしら」
確かに……、望海が言っていることも分かるわね。魔王はストーンが欲しいのであって、村が欲しいわけではないのでしょう? それとも、その前提時点で間違っているのかしら。
「人の話は最後までお聞き下さい」
戸惑う私達を見ながら、冷静に微笑み続ける悠馬。でもまあ、分かったわ。最後まで聞いてあげようじゃないの、あんまりにも意味不明じゃなければだけどね。
「ストーンを置いておかなければいいのです。別に魔力を溢れさせる必要はありませんので、封印してしまいましょう。ストーンを、少し弄っちゃってもいいですか? 形を変えさせて戴きます」
こんな村最早守る意味もないから、ストーンなんて必要ないじゃないか。そうゆうこと? それでもストーンは守る必要があるもの、渡す訳にはいかない。
その為にストーンを封印して、村の結界は自分たちの魔力で張るって言うことかしらね。それに形を変えれば、ストーンにより気付かれずらくなるってところか。




