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legend stone ~伝説の意志~  作者: 田中稚夏
”六章” 望海の話 開く魔界の扉(上)
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消える村

「別に、お花は痛くありませんもん。リボンとか付けて、ピンク色くてみたいなのが痛々しい武器と言うものです。そんなの、魔法少女好きのおっさんしか使いませんからね。でも僕のこれなら、老若男女迷うことなく使用ができると思いますね」

 ちょっと待ってくれ、悠馬は本気で言っているのだろうか。らしくない、わざとか?

 何にしても、私は悠馬の考えることなどどうだって言いさ。だって考えたところで、そんなの分かるはずが無いのだから。

「そんなどうしようもないこと言ってないで、光の魔物って奴を呼び出しましょ。そんなに強いなら、早く見てみたいものだわ」

 いつまでも言い合ってようとしているので、仕方がなくこの私が直々にとめてあげる。

「はい、準備を進めた方が宜しいでしょう」

 さっきまで子供のように望海と悠馬は言い合っていた、しかし今は別人のような表情をしている。完全に笑みは消え去り瞳は真剣な眼差しそのもの、この人たちから笑顔が消え去るんじゃ相当不味いんだろうな。

「しかしあまり派手に行って、勘付かれてしまえば厄介です。そこで望海さんにお願いです」

 そこで一旦口を閉じ、頭を下げて悠馬は続きを言う。

「村を消し去ってしまって下さい。誰にも気付かれないように……、完っ全に完璧に消滅させて下さい」

 村を……、消し去る?

「了解致しましたわ、少々お待ち下さいまし」

 しかし望海は待っていたとでも言うように、ニヤリと笑って了解してしまったのであった。

「結界を張り直す、そういうことでいいのかしら?」

 簡単に言ってくれた歩の言葉は、どうやら正しかったらしく悠馬は小さく頷いた。

 表情を見る限り、大正解ではなさそうだけどね。

「結界とは少し、ほんの少しだけ違うんです。出来るだけ魔力消費は少なくしたいので、侵入は可能の状態にしておきましょう」

 侵入可能って、そんじゃどんな結界なのよ。

「入ろうと思えば入れるような状態、なら入ろうと思わせなければいいのです」

 へえー、どーすんだろー。

「空中にでも浮かばせますこと?」

 ぼけているのかと思えば、バリバリマジな顔で望海は問い掛けているのであった。

「それでもいいのですが、魔力の消費量を抑えることが難しいでしょう。……言い直します、不可能でしょう」

 最初は難しいと言った悠馬だったが、少しして不可能に言い換えた。

「入る気さえなくす、そんな村になさるのでしょう?」

 分かってるとでも言いたげなドヤ顔で言った望海だが、悠馬が首を横に振ったのを見て顔を赤くする。

「そんなんじゃありません、もっと簡単なものですよ」

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