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legend stone ~伝説の意志~  作者: 田中稚夏
”一章”  滅ぶ町 陽香の旅の始まり
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忍び寄る黒い影

「そうだね、じゃあ食べ物がありそうな街を探そうよ。まだどこかに残ってるんじゃない?平和な場所が…」

 私はまどかを安心させるように、出来るだけ優しく微笑んで見せた。

「なのですか。じゃあ、早く探しに行くなのです」

 微笑み返してくれたまどかの後ろに、黒い影が見えた。危ないっ!私は咄嗟にまどかを突き飛ばした。何なの…?

「ギュルル、グルラァ!」

 声に驚き振り向いた私の視界に入ったのは、スライムのようにどろっとした暗闇を放つ黒い存在。こいつは、闇の魔物…!ってことは、魔王は関係しているのね。

「ギャラゥ、ギュアァ!」 「ギルル、リュリャラァ!」

 凄い量だわ。数十、いや数百くらいいるんじゃない?でもこれくらいなら、今の私の力でも何とか出来るはずよ。

「ハアァァッ!!」

 私は腰に刺さっていた剣を抜き、魔物共に切り掛かって行った。いくら私の力を封印されている上、剣の力となる宝石がないとはいえ、こんな雑魚に負けたりはしないわ。

 次々に魔物を切りつけて行く。しかし宝石の力が無い為浄化が出来ず、気持ちの悪い体は再生されていってしまう。クソッ、私は負けない。

「まどかは、陽香お姉ちゃんを守るなのです!」

 途中でまどかも、闘いに参戦してきた。…はあ、それにしても、疲れて来たわね。

「ギュルルゥ!」

 体力の限界が近付いて来て尻餅を搗いてしまった私の真上に、闇の魔物によって黒いボールが出来ていった。このままじゃ不味いわ、死ぬ…。しかし何も出来ず、そのボールが放たれそうになった時に私は、思わず目を瞑ってしまっていた。

「まどかが、守るなのですぅ!!」

 これは何?私には眩し過ぎる光が降り注ぎ、辺りに見えるのはまどかと沢山の巾着だけとなった。何があったの?

「ゴホッ!オエッ!」

 まどかが吐き出した痰の中には、薄ら血も交じっていた。大丈夫なの?って言うか、本当に今何があったの?

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