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legend stone ~伝説の意志~  作者: 田中稚夏
”四章” 辿り着いた村 梨乃の正体と凜子の目的
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悲しいストーン

「凜子さんの目的が、分かったかもしれません」

 え? 悠馬は静かに、だけど確かにそう言った。凜子って、あの魔王よね? 目的って何よ。

「私にも教えて頂戴」

 てっきり断る思っていたけど、意外にも悠馬は頷いてくれた。教えて、くれるのね。

「凜子は恐らく、平和を目指しています。僕達とはやり方が少し違いますが、平和な未来を望んでいるようです」

 平和を目指している? 平和を望んでいる? だとしたらどうして、こんな酷いことをするのよ。

「戦や罪に満ちたこの腐った世界を滅ぼし、新しい世界を作り出そうとしているのですよ。それに凜子は確かに、改革を進めているようです。どうしますか? 凜子について行ったとしても、戦の先に未来はあります。今の腐った世界を守るか、新しい世界に掛けるかですね」

 新しい世界? 笑わせないで。それに平和を望んでいるような人が、笑顔で人を殺す訳ないじゃないの。

「少なくとも私は、笑いながら人を殺せるような奴について行きたくない。今の腐った世界で十分よ! もうこれ以上死なせたくないの」

 でも戦いをやめて凜子に降伏させれば、死者は減るかもしれない。でもそんなのは違う、平和なんかじゃないわ。それに誰もが、素直に降伏するなんて有り得ないわ。

「そうですか、僕は陽香さんについて行きます。それと凜子の事なのですが、妖精とストーンを集めていますよね?」

 ふぇ? そうでしょうよ、だから私達は旅をしてるんだもの。

「盗んでるんでしょう? 力を手に入れて、新しい世界の支配者にでもなるつもりなのかしら」

 それだけの力があれば、確実に最強となれるわ。神の力が、手に入るのだからね。

「はい、恐らくそうでしょう。しかし結構な悪行を働いていますし、ストーンの使用は出来ないかと思います。つまり彼女は、抵抗する力を無くすためにストーンを集めているのですよ。もしくは、ストーンを悪の色に染めてしまうかですね」

 そうか、ストーン自体を悪の色に染めてしまえば使えるわ。

「ねえ悠馬に質問よ。”dark stone”って、そんな簡単生み出せるの?」

 まあ簡単ってことは、ないでしょうけども。

「人の魂です、殺した人間の魂。それと血ですね、それでストーンは穢れて行きます。今も一つだけあるそうですよ? ”dark stone”となってしまった、悲しいストーンが」

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