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legend stone ~伝説の意志~  作者: 田中稚夏
”四章” 辿り着いた村 梨乃の正体と凜子の目的
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歩き疲れて

 私は妖精を信じて、歩き続けた。

    

     ー三十分後ー


 はあ、疲れて来たわね。何時間歩いたかしら。


     ー更に二時間後ー


 もう着いてもいい頃じゃない? 悠馬が言ってた時間、間違ってるんじゃないかしら。てか太陽は、どうして一日中昇りっぱなしなの? 分かったわ、白夜とかいう奴ね。きっとそうよ、そうに違いないわ。 


     ー更に一時間後ー


「ねえちょっと、まだ着かない訳? 休憩取れないのは分かったからさ、もうちょっと待ち合わせ場所を近づけて頂戴」

 意味分からない、いつまで歩かせとくつもりなのよ。何か…、瞬間移動みたいなのできないのかしら。

「まだまだですよ、陽香さん。距離ありますし、もう少しペースあげますか」

 ええ!? 何でそうなるのよ、バカじゃない!?


     ーその三時間後ー


「うぅ、休憩しましょ」

 遂に私は、力尽きてしまった。何日歩いた? ねえ、何日歩いたと思ってるの? もう無理、限界だわ。

「仕方ありませんね、食事にしましょう」

 悠馬はあの肉を取り出し、私に差し出してきた。また食べるの? でもまあ、お腹空いてるし仕方がないわよね。

 仕方な~く、私はあの肉を頬張る。疲れてるせいかしら、少しだけ美味しく感じてしまうわ。

「余程お腹が空いていたんですね、でも食べ過ぎはしないで下さいね。それはそれで、歩くのが大変になってしまいます」

 分かってるわよ、五月蝿いわね。私は肉に齧り付き、肉が不味くなってきた頃に食べるのをやめた。不味くなってきたということは、通常に戻って来たということなのだから。そして通常に戻ったのだったら、その状態で歩けばいいわ。

「あっ、食べ終わったようですね。陽香さんが満足でしたら、もう一度歩き始めましょう」

 私は立ち上がり、歩きながら考える。『もう一度歩き始めましょう』って、何の歌詞なのかしら。


     ーそして二時間後ー


「ここです!」

 悠馬は嬉しそうに、目の前の村へと駆け寄って行った。これが、穴見村ってところなの? 普通の村に見えるけど…。

「あっ、貴方が陽香さんと悠馬さんですね。ご案内いたします」

 門番らしき人に招き入れられ、私達は村の中に入る。やっぱり、普通の村だわ。

「ようこそいらっしゃって下さいました。わたくしは村長の藤ヶ谷ふじがや望海のぞみと申します」

 二十歳前後だと思われる、長い金髪の女性が現れた。村長? へえ、こんな若い人なんだ。

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