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legend stone ~伝説の意志~  作者: 田中稚夏
”三章” 二人の旅 梨乃登場
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楽しいお料理 1

「狩り、ええそうね。どうせ殺すんだし、ちゃんと使っておきたいもの。そうしないと、勿体無いみたいな?」

 そう考えて、何とか自分を納得させる。

「やっぱりそうですよね、じゃあ止め刺しちゃって下さい」

 頷いて私は、そのモンスターに止めを刺す。これだけの攻撃をすれば、この程度のモンスターは死んだことでしょう。

「今丁度お腹も空いてますし、荷物にならないよう食べてしまいましょう」

 今すぐ? あはは、新鮮そうでいいわね。

「ねえこれって、食べても安全なの?」

 貴方は強いのよ、今更逃げちゃダメ! さあ勇気を出して、戦うのよ小鳥遊陽香ぁ!

「はい、安全だとは思いますよ。確実にと言い切ることはできませんが、それはどの食材でもそうでしょう?」

 ま、まあそれはそうね。確実に安全な食材なんて、存在しないんだけれど…。でもね、でもねえ! 

「それで、どうやって調理するの?」

 もう、何逃げてんのよ。小鳥遊陽香、貴方は強いの。さあ覚悟を決めなさい、こんなことを怖がってちゃ旅なんて出来ないわ。それに飢え死なんて、したくないでしょう? だったらこれを、食べるしかないじゃないの。

「適当に焼けば、食べれるんじゃないですか?」

 ちょっと! 本当に大丈夫なのよね? ねえ!? 

「分かったわ、でもどうやって食べるの?」

 どんなに逃げたって、最後には食べるのよ。だって、だってこれしかないのだから。普通の鳥だと考えれば良いじゃないの、そうただの鶏肉よ。せっかくの肉、食べない訳にはいかないでしょう?

「かなり大きいですし、食べずらいですよね。もし良かったら、僕が料理しますけど…?」

「ありがとう、じゃあお願いするわ」

 これで、少しでも食べやすくなればいいんだけど…。悠馬は、手際よく肉を細かく切っていく。ああ、その見た目だったらまあ美味しそうに…見えなくもない筈。

「何かお皿や箸の代わりになるものが、あればいいんですけど…」

 弱い火を出して、肉を焼きながら言って来る。そんなの、葉っぱで充分じゃない?

「皿や箸なんて、葉っぱや木を綺麗にすればいいわ」

「そうですか、了解しました」

 優しく微笑んだ悠馬は、巨大な鳥を小さく引き裂いていって纏めて火に掛けた。

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