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legend stone ~伝説の意志~  作者: 田中稚夏
”二章” 凜子を追え 悠馬との出逢い
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本物の魔王

「天使? 何言ってるんですか。天使みたいな使いごときじゃなくて、貴方は女神様ですよ。自分のことも、覚えていないのですか?」

 やっぱり悠馬は、人間界の者ではないの? それに私の過去を、知るもの…。

「何を言っているの? 女神って…」

「女神? 何の話ですか?」

 ふぇ? 悠馬はキョトンとした顔で聞いてくる。何? 二重人格か何かなのかしらね。

「それで、何するなのです?」

 何するって、そりゃまあ魔王を探すわ。

「築田村だっけ、に行くわ。ねえ悠馬、方角は分かる?」

 分かってれば、いいのだけれど…。

「え? は、はい。築田村の場所なら、分かります。結構遠いので、頑張りましょう。僕は魔王の為なら、頑張れちゃいます!」

 魔王の為? ああ、魔王に会う為ってことかしら。

「道案内、宜しく頼むわね」

「はい、僕に任せて下さい! ああでも、間違えちゃっても怒らないで下さいね?」

 歩き始める前にそれとは、間違える気満々ね。

「道は分かるんですけど、道の通りに行けないんです」

 要するに、アホだと。まあいいわ、私だって道が分からないのだから。

「いいから早く歩き始めてくれる? あまりにも滅茶苦茶じゃなければ、着いて行ってあげるわ」

「はい! 多分こっちです」

 悠馬は元気に返事をし、元気に歩き出す。疲れないのかしら?

「後で体力がなくなるでしょう? もう少し大人しくしてなさい」

「はい!」

 これは…、もうダメみたいね。まあ疲れたって言ったって、自業自得なら休ませないわ。

「暑いなのです」

「疲れたなのです」

 暫く歩いていると、まどかが五月蝿くなってきた。

「そんなに疲れたのなら、もう歩かなくていいわよ。そこで休んでいなさい」

 暑いのも疲れたのも、私達二人だってそう。でもそれを、口に出したりはしないわ。

「嫌なのです」

 五月蝿いわね! そんなに何もかも嫌ならば、死ねばいいじゃない。

「どうして嫌なのですか? この先に魔王がいるかもしれないのですよ、それだけでワクワクするじゃないですか。本物の魔王って、どんな奴なんでしょうね」

 それはそれで、ちょっとどうかと思うけど…。

「まどかは魔王を、もう見たくないなのです」

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