女の愚痴は長い。
舞踏会での話です。表現下手なのは許してください(涙)
ちなみに、フランはモテモテです。
モテモテって・・・・・・・・。←
フランが王宮へ来たのは、2度目だった。
成人した時に1度。そして今回の舞踏会で2度目だ。
国の象徴であるそれは、見た目だけでも、アルフォード家の敷地の倍以上はあり、来た者を圧倒する。
中に入れば、目も眩むようなシャンデリアの光が溢れ、床には真っ赤なビロード生地が敷き詰められている。
アルフォード一家が着いた頃には、既に舞踏会が始まっていた。
国王様と王女様の話が終わり、各々いろんな人と話している。
ミランは、エヴァンを連れて挨拶廻りに行った。
フランはというと、メイシャと食事を楽しんでいた。
「フランお兄様!そこの生ハムのマリネ取って頂けませんか?」
「生ハムのマリネだね。ちょっと待ってて。」
そう言って料理を取りに行く。
面倒ごとが嫌いなフランでも、妹の為ならなんでもするので、世間一般的なシスコンである。
フランとは違い、社交的なメイシャは、料理を食べ終わると、友達のところへ行ってくる!と一言残し、走っていった。
妹の姿を目で追っていくと、その友達のところに着く前に、いろんな男に引き止められているのが見えた。
妹の容姿は、母に似てとても人目を引く。また、公爵家の娘ということも相まって、縁談の申し込みが絶えないらしい。
シスコンといっても、妹の恋人まで口出しする気はないが、脂ぎった禿オヤジは止めてほしいと思う。
そんなことを考えていると、後ろから声がかかった。
「あの、ご一緒しても宜しいかしら。」
目を向けると、効果音にギラッギラとつきそうな、典型的なお嬢様がいた。
香水臭く、高飛車な女は嫌いなので、断ろうと試みたが
「少しでいいのでお話させて下さいな。」
と言われれば、断るわけにもいかない。
それから暫く、お話と言う名の愚痴が数時間続いた。
やっとの事でその場を離れると、精神的に疲れたため、夜風に当たろうとテラスに出た。
自分に話しかけようと、機会を伺っていたおば様方(20代の人達だが、フラン的にはおば様)は完璧に無視し、1人月を眺める。
やっと休めると思った矢先、下から女の悲鳴が聞こえた。
「イヤッ!!」
どうやら痴話喧嘩のようだ、と最初は無視していたが、違うらしい。
モテない男が、無理やり女を連れ込もうとした・・・・っぽい。聞いた話。
助けなければっ!!という無駄な正義感がフランを突き動かしたっ。
・・・・・・訳ではないが
(五月蝿いなぁ、これじゃあゆっくりできないじゃないか。
・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっと黙らせてくるかっ★
いや・・・まて・・・・・・・・これってフラグ?????)
という事で、テラスから飛び降りた。(嫌な予感も道連れで)
スタッ
軽い音と共に地面に着地する。
念のため敵が居ないか周りを見回す。
案の定そこには、嫌がる女と、その女の手首を握るブサメン(・・・)がいた。
「なっお前は誰だ!?」
「・・・・・・・・・・・。」
悪役Aの戯言(決まり文句?)は無視。
女を掴んでいた手を無理やり引きはがすと
ズゴッ
と、フランは悪役Aの鳩尾に膝蹴りを決めた。
悪役Aは地面に投げ出され、そのまま気絶。
フランは、相手が静かになったことを確認すると、テラスの方を向き膝を曲げようとした。
「待ってくださいっ!!」
跳ぼうとしたところに声が掛かり、若干タイミングを外してしまった。
仕方なく振り返ると、15、6さいの少女がそこにいて
「あの・・・・、助けてくださって、ありがとうございましたっ!!」
深く頭を下げていた。
「それで・・・お礼がしたいのですが・・・宜しいでしょうか?」
さっきの女と違い、嫌な感じはしなかったのだが・・・・・・・・。
(やっぱりフラグ????)
心の中で思いつつ
「いえ、大したことではないですから。」
笑顔で断り、その場を後にした。
少女が自分の背中を、ジッと見つめていることも知らずに―――。
その後は、何事もなく舞踏会は終わった・・・。
(フラグ立ったっぽい・・・・・・・・。)
フランは2階のテラスから飛び降りました(2階といっても高さ結構ありますが)
テラスに戻るときも、ジャンプしようとしましたが、少女に顔を見られたため、普通にホールに戻りました。まあ結局、誤魔化せません。飛び降りた時点で・・・。
テラスに突撃(?)したおば様方が呆然としたのは、また別の話です(笑)