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人類未満  作者: r_kobori
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〈一六章〉信用

3人が地下室から出た時、旭孤児院の入り口付近にカイ等の姿を見た。


レン等が施設から脱出していた頃、

カイ等はレンとハルの位置情報の動きを見て少し遅れてこの場所に辿り着いていた。


カイ等に警戒されている事を察したルーカスはその場で立ち止まり、

レンは地下で知ったことを必要な部分だけ話した。


狼狽える者、信じられない者、現実を飲み込めない者。


カイは一度だけルーカスを見た。

そして順番にレンとハルの眼を見る。


カイ「……嘘を言ってるようには見えないな」


レンが静かに頷く。ハルは少し間を置いてから告げた。


ハル「それでも状況は俺らにとって有利に転んだ。あの人はこのシェルターのシステムを触れるらしい...上手く使えばリュウを助けられるかもしれない」


カイの顔にはまだ不信感が残っている。

それを察したようにレンが続ける。


レン「信頼出来る根拠はない.....けど私達を助けてくれた。私はルーカスを信じたい。」


カイは考え込むように視線を下げ、しばらくしてもう一度2人の目を見た。

その目に迷いはない

カイは一度、奥歯を噛み締めた。

それは納得ではなく、覚悟の仕草だった。


カイ「....分かった。俺はお前らを信頼する。」


それからネバーリサーチはルーカスを含め、作戦会議始めた。


ルーカス「私が君たちに出来る事といえば、車両の用意と政府の一部施設の警備システムの操作だ。そして恐らく門の操作室に行けば、一瞬なら門を開く事も出来るだろう。」


空気が変わった。皆が顔を上げる。


ルーカス「ただし、乱用はできない。操作を繰り返せばログから逆探知されて、権限を奪われる。」


カイ(いや...充分過ぎる。これだけで今まで懸念していたほぼ全ての問題が解決する..!)


誰かの唾を飲む音が聞こえた。

リュウを助けて全員で逃げる。不可能に思えた理想が目の前まで降りてきているのを感じた。

カイが皆に指示を飛ばす


カイ「すぐに取り掛かろう。リュウがまた別の場所に移されたら面倒だ。」


カイとハルを含めた数名はルーカスを連れて門の操作室に行き、門を開けれるかどうかの確認に向かう。そして他のメンバーは倉庫に戻って武器の確認。

ナギは脱出用の車両の調整に向かい、武器を持っているレンはその護衛として同行する事になった。


皆が各々の仕事に向かった後、レンとナギは指定された場所に向かう為動き出した。

レンはやっと体の緊張を緩めた。


レン「...ふぅ。上手くいきそうでよかったぁ」


ナギ「油断は禁物ですよ...とりあえず急ぎましょうか。」


ナギはまだ緊張が解れていなかった。レンを急かすように脱出用の車のある場所へ

向かった。

しばらく歩き、2人は車庫のもう目の前まで来ていた。


レン「...ここだよね?ナギ。」


ナギ「はい...その筈です。」


ナギはレンと視線を合わせようとしない。

レンはなんの違和感も感じる事なく、車庫のドアを開けた。

そして車庫に入ってすぐに足を止めた。


レン「車がない...ねぇナギ、本当にここで合って...」


ーーーバチッ


電流が走る音が聞こえた。視界がボヤけ、体に力が入らなくなる。

ナギの声だけが鮮明に脳に響いた。


ナギ「....すんません。やっぱり、あんたらが逃げるのはあかんわ。」


レンの体が地面に倒れる。ナギは脈を確認し、車庫の中に寝かせたのちに

懐から電子端末を取り出した。


ナギがそれに触ろうとした時、銃声と共に電子端末が跳ね地面に転がる。

息を切らしたハルが銃を構えていた。


ハル「ナギっ....!説明しろ!今お前は何をした!」


ナギ「...悪いけど、答える道理があらへん。」


別れてから暫く経った後、ハルはレンとナギの位置情報が指定のルートから

大きく外れている事に疑問を持ち、カイの指示で2人のサポートとしてここまで来ていた。


ハルはそのままナギの足を目掛けて数発銃弾を撃つ。

ナギは素早く近くの机を倒し、その奥に隠れた。


ーーカチッ


乾いた音が鳴り、銃の弾が切れる。元より侵入目的の装備は

逃走の最中で消耗し、替えの弾も持っていなかった。


ハル「クソッ...」


ハルはそのまま車庫へと入り、倒れた机の奥を見る。

ナギはその瞬間に砂を投げつけ、目を瞑ったハルを蹴り飛ばした。


ハルはすぐに立ち上がり、ナギに殴りかかる。

だがナギは素早い身のこなしで躱し、カウンターを決めた。

ハルはよろめきながら後退する。


ハル「....ッ!てめぇ今まで隠してやがったのか!」


ナギは何も答えずにスタンガンを持ち、ハルに近づいた。

その目には決意が漲っており、ハルの知るナギとは完全に別人だった。

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