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息子を思うと死んでも死に切れん!  作者: 雨蛙/あまかわず
強くなるには

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第17話 新たな発見!モールドの才能

「うーん、どうすれば強くなれるんだろう…」


モールドはそんなことをぶつぶつつぶやきながら廊下を歩いていた。


すると、曲がり角で人に気づかずにぶつかってしまった。


不幸にもぶつかった拍子にその人が抱えていた大量の荷物が床に散乱してしまった。


「おっと!大丈夫かい?」


「ごめんなさい!僕は大丈夫だけど荷物が…」


先生と思われる男は落ち着いた様子で荷物を確認していく。


「どれも大丈夫みたいだ。すまなかったね、気を付けるよ」


先生は荷物を高く積み上げ、ゆっくり歩きだした。


あれじゃほとんど前が見えてないだろ。


「あの、手伝いましょうか?」


「そうかい?助かるよ」


モールドは先生からいくつか荷物を受け取ると一緒に運んで行った。


しばらく進んでいくと、ある教室の中に入っていった。


教室には杖や本、不思議な道具がいくつも置いてあった。


「荷物はその辺の机に置いてくれ。手伝ってくれてありがとう」


「これくらいなんてことないですよ」


荷物を置き、一息つくと先生はモールドの顔をじっと見て首をかしげていた。


「そうだ思い出した!どっかであったことあるなと思ったら、以前校庭で竜巻に巻き込まれそうになった生徒じゃないか?」


「そうです。モールドって言います」


「そうか、君がアルの…俺はこの学校で魔法を教えているガラドだ。この前のお詫びと今回のお礼として、お菓子でも食べていかないかい?ちょうどたくさんもらってきたところなんだ。持ってくるからその辺でくつろいでてよ」


ガラドはモールドの返事を聞かずに奥の部屋に入っていってしまった。


ガラドという名前を聞いて俺も思い出した。


何年か前にパスヴァルが戦場に連れてきたことがあった。


多彩な魔法が使えるという才能を活かして学校の先生をしているが、その才能を買われ、度々戦場に出ていた。


一人取り残されたモールドは戸惑いを見せていたが、周りにある不思議なものに引き寄せられていった。


魔道具というのは、先日パスヴァルが生徒に配っていた学校に戻るガラス玉のように簡単なつくりのものもあるが、たいていは複雑なつくりになっている。


俺にとってはごちゃごちゃした置物にしか見えない。


色んなものが入り組み、どうやって動いているか理解し難い。


もはや芸術作品だ。


そんなものをモールドはまじまじと見つめている。


「何か気になるものがあるかい?」


たくさんのお菓子を大皿に乗せ、おまけにティーポットまで持って戻ってきたガラドはモールドの様子に気づき、声をかけた。


「いや、変わったものがたくさんあるなと思って…」


「試しに何かやってみるかい?」


ガラドは棚から一つ、土台の上にガラス玉が浮いている魔道具を取って机の上に置いた。


「これは『魔力測定器』といって、触れた者の体にどれだけ魔力があるか調べてくれるんだ。さあ、ここに両手を置いてみてよ」


勢いに押され、言われるがままにガラス玉に両手を置く。


すると、ガラス玉は強い光を放ち、教室を光で埋め尽くした。


光が最大に達すると、部屋中を巻き込み大爆発が起こった。


光が弱まると、機械はバラバラ、教室に置いてあった道具もあちこちに散らばってしまった。


「あ、あの、ごめんなさ…」


「素晴らしいぞモールド君!」


ガラドは性格が変わるほどテンションが上がり、モールドの手を握った。


「ち、ちょっと!どうしたんですか?」


「魔法に興味はないかい?モールド君なら素晴らしい魔法使いになれるぞ!」


「ええ⁉」


突然の誘いにモールドは言葉を失っていた。


かく言う俺も理解が追い付かなかった。


「君が魔法の道を進んでくれるなら、きっと後悔はさせないよ」


ガラドは目を輝かせて返答を待っている。


しばらく沈黙が続く。


モールドはどんな答えを出すのだろうか?


今までモールドはいろんなことに悩み、苦労してきた。


モールドが剣の道がつらいというのなら、ここから魔法の道を行くとしても、俺はいいと思っている。


「僕は…」


そこから先の言葉がなかなか出てこようとはしなかった。


その様子を見てガラドはさっきまでの落ち着いた表情になった。


「君の未来だから俺にはその答えを強要する権利はない。落ち着いてゆっくり考えればいいさ。でも、もし興味がわいてきたら、いつでも歓迎するからね」


「ごめんなさい。せっかくの誘いなのに…」


「いいんだ。さあ、気を取り直してお菓子パーティーを始めようか!」


ガラドはお茶をコップいっぱいに注ぎ、モールドの前に差し出した。


浮かない顔になってしまったモールドも、お皿に山積みになったお菓子を一つ頬張ると、そのおいしさに笑みがこぼれていた。

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