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第十三話:満月

1話の長さは、大体1000~4000文字程度です。

この話の文字数:2135

夜20時20分。ヴァイスさんとシュヴァルツさんが来た。例の、月属性魔法の件だ。


「えーと。まず私が教えられる魔法は「ムーンライト」です。」

今日はとりあえず、キセキが使える範囲の月属性魔法をシュヴァルツさんにレクチャーする事になっている。

「魔法を知るにはまず受けよ、という言葉がありますね。シュヴァルツさんも一回受けてみたら理解できるのではないでしょうか?」

「ああ、俺もそう思っていた所だ。一発俺に撃ってみてくれ。」

「はい。では、行きますよ。ムーンライト!」

キセキの魔法がシュヴァルツさんにヒット。

「…っ!なんだこりゃあ、身体が上手く動かねぇ。」

「今日は満月なので、月魔法の威力が増大しているんです。更にここに、シャドウレイ!」

「ぐぁぁっ…あ…ぅぁ…」

「あっ、すいません、やりすぎてしまいました。ローキュア!」

キセキは慌てて治癒魔法を使ってシュヴァルツさんを正常状態に戻す。

「はぁ、はぁ…。なるほど…確かに今のをされたら動けなくなるな。」

「大体のイメージは掴めましたか?」

「うーん、やろうと思えば出来る気がするんだが、俺の(しょう)に合うような魔法じゃないよな、これは。他の魔法はないのか?」

「「ヘルゲート」は溜めが必要なうえ、消耗が激しいので、使った後に隙が出来てしまいます。前衛で戦う事が多いシュヴァルツさんには向かないかと思います。他にも色々と月属性魔法はあるみたいなんですが、僕はまだ使えなくて…。」

エクラの返答に、シュヴァルツさんは少し落ち込んだ様子だった。

ワタシはずっと黙っていたが、ここで口を挟む。

「…モネ、という名の知り合いがいるんです。彼女は、月魔法のスペシャリストと言えるほどの人物です。彼女に頼めば、月魔法は一通りレクチャーしてくれると思います。」

「そうなんですね。世に知られていない月魔法のスペシャリスト…。一体どんな方なんでしょうか。」

ヴァイスさんは興味を持ったようだ。シュヴァルツさんもワタシの方を振り向いた。

「それは会えば分かりますが…。問題は、彼女は今、どこにいるのかすら分からず。」

「…そうなのか。それは残念だな。」

「でも、ワタシは元々モネを探す予定です。もし見つかったら、シュヴァルツさんにも魔法の伝授をしてもらえるように頼みますので。」

「そうか、それは有難いな。俺達もそろそろこの町を離れないといけないから、いつ会えるかは分からないが…。楽しみにしているぜ。」


そうして、白と黒の二人は去っていった。明日、町を出るそうだ。

…それにしても、あの二人はやっぱり格好いいなぁ。これだけ近い存在になれたのも、幸運だなぁ。




視点:シュヴァルツ


「ムーンライト」

俺は魔法を発動する。空撃ちだが。こんな魔法でも、人生初の経験なのだ。

「シュヴァルツさんが使いたい魔法って、どんなものなんですか?」

ヴァイスが問うてくる。

「身体強化とか、単純に攻撃をする魔法がいい、かもな。まだ魔法というものがよく分かってないんだ。」

「そうですか…。」

「でもな、俺が魔法を使えた、適正0と言われ、嘲笑われ、卑下された俺でも魔法を使えた。本当に、あいつらには感謝しないとだ。」

「あいつら…といえば。シエルさんっていったい何者なんでしょうか?恐らく貴族の娘さんだとは思うのですが、天使であるキセキ様を従えていたり、私達でも知らなかった月属性を何故か知っていたり…。」

「関係あるかは分からんが、10年前に死んだ魔王は、天使や悪魔、精霊などの七人の配下を持っていたらしい。」

「…私もその伝承が思い浮かびました。堕天使なんて、そう何人も存在するものではないです。魔王の配下の天使、それがキセキ様本人、同一人物だとしたら…。」

「シエルは魔王の関係者、ってことになるな。まぁ、今の所敵意は全く感じないだろう?俺達から手を出す必要もないし、仮に敵対することがあったとしても、今の俺達じゃあ魔王には敵わんだろう。」

「そうですね。むしろ、シエルさんは私達の戦力強化を手伝ってくれていますし、敵対するのは得策ではないですね。」




視点:シエル


「さて…そろそろ本格的に探さないといけなくなってきたかな。」

「何を?」

「…かつての仲間を、ね。」

エクラはこの返答に不思議そうな顔をする。

「かつて、っていつの話?」

「昔々の話。」

「…それって答えになってる?昔々って、シエルさんは10歳じゃ…?」

「まぁ、そうなんだけどね。ワタシは前世の記憶があるんだよね。」

いつかは打ち明ける事になっていただろう。今がちょうどいいタイミングだ。

「まぁ、前世の記憶とスキルを引き継いだだけで、中身はただの10歳だけど。」

「転生者…ってこと?だから誰も知らない魔法の事を知ってたり、キセキさんを従えていたりしたのか…。」

「信じて貰えないかと思ったけど、呑み込みが早いね。」

「そりゃあ、あれだけ無茶苦茶してたら、当然だよ…。」

「で、かつてのワタシには仲間が七人居たんだよね。一人はキセキ。もう一人はミロ。あと五人。三人目を探しに行こうと思う。」

「でもシエル様、どうやって探すおつもりで?」

「それは一応考えてあるよ。まぁ、また明日話すけど。」

「策があるんですね。」

「うん。」




ただし、問題もある。彼女は…魔物なんだよね。

七色、第五席、「虫」のモネは。

13/50話です。

話数も四分の一まで来てしまいました。と言いつつ、これを投稿している時には24話までとりあえず書き終えていますが。

ここに来て今までの話を見返して気付いたのですが、数字の表記が漢数字と算用数字で揺れているんですよね。趣味でやってるだけだからいいけど、本来はこういうのいけないんだろうなと思いました。とか言って、この後書きでも揺れてるから救いようがないです。

てかもう夜中3時になっちゃう。投稿して寝ます。おやすみなさーい。

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