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33/38

33.結 ①

容子の自宅の駐車場へ着くと、二人ともほぼ同時に溜め息を漏らした。

あれから二人はお互いに無言だった。

この数週間、予想外のことばかりが起きて疲労困憊していた。


昨日のことがなければ、二人ともなんの憂いもなく結婚承諾の挨拶ができた筈だったが、今はそういう状況ではなくなっている。


修司などは休日返上で警察との連絡等の用事をこなさなければならず、時間的に相当キツい筈だと容子は心配していた。


「色々お疲れなのにすみません。今日のところは結婚承諾の挨拶は先送りでもいいですか?この方と交際していますという紹介程度にしておいて、ストーカーの件と今回のことを一緒に説明してもらえると助かります」

「わかった、そうしよう」

「······それから、あの、私さっき修司さんとは結婚できないって言ってしまいましたが、あれは保留にしてもらえませんか?」

「それはかまわないけど、どうしたの?」

「······さっきはあまりにショックで、もう結婚は無理って思ってしまいましたが、物凄く早いペースで予想外のことが起きているから、もしかしたらまた状況が変わって、もっと自分達にとっていい答え、最善のものが見つかる可能性があるかもって···」


修司は、それを聞いて嬉しそうな笑みをこぼした。


「容子は結論や決断を急ぎ過ぎなところがあるよね。もう少し様子を見るとか保留にして先送りにした方がいい場合もあるだろ? それに全部が全部容子のせいということではないわけだし」

「まさに···今回とか、前回とかもそうですね」

「前回って···」


まったく容子の表現は面白い。シリアスなのにそうではなくなってしまいそうだ。

しかも本人は真剣そのものだ。


「あとさ、自分一人で何もかも抱えて、一人でなんとかしようとし過ぎだよ。もうちょっと人を頼った方がいいんじゃないか?」

「······これからそうできるように頑張ります」

「ふははっ、頑張るって···、うん、もっと頼ってくれよ。俺のことも、もっとこき使ってくれてかまわないからさ」


修司はそう言うと容子の頭をポンと軽く叩いた。


容子はこれまでの自分のやり方を改める時期が来ていることを、今回の苦い体験から嫌になるほど実感していた。


「よし、じゃあ、行きますか」

「よろしくお願いします」


修司はあともう一息頑張ろうと気持ちを引き締めた。

いつも読んでくださいましてありがとうございます。

今週末までには完結する予定でいます。

これを含めてあと6話になります。

よろしければ最後までお付き合いくださいませ。


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