パーティー壊滅
この第1章は一応の完結まで書き終えていますが、コメントを参考にさせて頂いてより良くできればと考えています。
ご協力をお願い致します。
「ぐぅぅー」
ギルバード・ラインベッカの足元の床が派手に崩れ落ち、そのままひとり落下するのを余儀なくされていた。重力による自然落下ではなく敵の急襲を受けたのだ。
単に落ちるのではなく、圧力で一緒に落ちる床面へ押し付けられている感じだった。
オーライン皇国王から魔王討伐の依頼を受け、やっとの思いで居城を攻略して玉座がある部屋の前まで到達、いざ決戦というタイミングで敵からの先制攻撃をうけた。
『真円の砂時計』はギルバードが属する冒険者パーティー。
皇国王から最上位を示すプラチナのパーティーなどと真円の砂時計が持てはやされて浮かれて油断をしていたわけではないと思う。
「それにしても飛行術はどうなってる?MB」
(MB:強力なアンチマジックにより阻害されています。レジストも失敗しています)
MBというのは複数の魔法を同時に精度高く運用するためにギルバード自ら開発した自律対話型スキルAIの呼称だ。
内省的な存在なのでMBは他人から見えたりしない。説明が面倒なのもあってパーティーメンバーに対してもMBを説明していない。だが周りから大魔導士と評されるまでに至ったのは、このMBの存在が大きいとギルバード自身は考えていた。
やがて10フロアー程度落下したあたりで圧力が弱まり、ギルバードは態勢を立て直す。
(よし、もう一度玉座の間に向かう。今度はなんとか落下をレジストしろ、MB)
(MB:先ほどの被術ですが、複数のタイプの魔法を組み合わせて解呪しづらいようにされています。1つは呪い系の魔術ということまでは解析できました。次回も同じ内容の術であればレジスト可能ですが、この高度な仕掛けをしてくる敵が安易な攻撃を仕掛けてくる可能性は低いと推察します)
「とにかく仲間と合流するために急ぐしかない。魔力の消費は大きいが、駿足+身体強化で雑魚敵を蹴散らしていく」
鬼人の如き無双状態となって疾走を続けるギルバード。
(MB:もうすぐ着きます)
玉座の間の直前まで来た段階で、消費した魔力を補う為に走りながらマジックポーションを飲み干す。
だが、苦労の末に再度玉座の間に踏み入れた時には既に落下から2時間以上が経過しており、パーティーは既に壊滅していた。