エピローグ そして
怪我をしたキリを連れ帰ったスカイは、回復した彼女から魔大陸への同行を請われるも、これを断ります。
食い下がるキリ。
そうこうしているうちにスカイやキリの耳に大ニュースが飛び込んできました。
そのニュースとはレイクエイム王国敗北の報。
魔大陸に攻め込んでいた王国は敗北し、逆に饗宴との死闘で手負いとなり怒り狂った魔王が王国へと攻め入ったとの話でした。
その報を受けてスカイは動揺します。
饗宴が負けた?
みんなの安否は?
スカイは戦場と化した王国へ戻ることを決意します。
そこに本人からの立っての願いで、キリもついてくることになりました。
◇
都市国家連盟は王国に援軍を出そうとしていました。
しかしタイミング悪く原生林で魔物暴走が発生。
森から溢れ出した魔物たちが都市を襲い、都市国家連盟は援軍を出すどころではなくなります。
ナノカも傭兵ギルドから魔物暴走の鎮圧に狩り出され、スカイやキリに同行することは出来なくなりました。
後に判明しますが、この魔物暴走はロロノによって仕組まれたものでした。
◇
スカイとキリは二人で出立し、王国に辿りつきました。
王城は陥落。
城下は焼け野原となり、国王も無残な死体に変わっていました。
スカイは饗宴がどうなったか情報を集めてまわり、彼らが魔大陸で消息不明になったことを知りました。
しかしそこでスカイとキリは魔王に遭遇。
襲われてしまいます。
圧倒的な強さを誇る魔王は、しかし正気を失っていました。
その魔王の傍には、かつて王を操りスカイを追放した黒幕であるロロノ・コリュムの姿が――
◇
ロロノはキリを見て驚きます。
生きていたのか?
たしかに始末したはずだけど、と。
キリは狂った魔王を見て叫びます。
お姉ちゃん、正気に戻って!
すべての黒幕は、この悪魔ロロノなんだ!
そう。
何を隠そう、キリと魔王は姉妹だったのです。
そして魔王はロロノから、キリを拐い殺したのは人間たちだと嘘を吹き込まれ、恨んでいたのでした。
けれどもそれは誤解。
すべてはロロノによって仕組まれたこと。
キリは涙ながらにそう訴えますが、ロロノの洗脳がすすみ正気を失った魔王に彼女の声は届きませんでした。
スカイとキリは、魔王との激しい戦闘に突入します。
◇
魔物暴走を鎮めた都市国家連盟から、ようやく援軍が到着しました。
その中にはナノカの姿も。
ナノカはロロノを見て怒りを露わにします。
こいつは太古から存在する邪悪な悪魔だ。
あたいのパーティーメンバーを皆殺しにし、自分に呪いを刻んだのはこいつだ。
ロロノはナノカの怨敵でもありました。
スカイとキリは、ナノカや軍の支援を受けてなんとか魔王を退けます。
洗脳された魔王はロロノとともに、魔大陸へと戻っていきました。
◇
戦後処理の進むなか、スカイとキリとナノカは話し合っていました。
みんなで魔大陸へ渡ろう。
スカイは行方知れずとなった饗宴のメンバーを探すため。
キリは姉たる魔王を正気に戻すため。
ナノカは元いたパーティーのメンバーを皆殺しにした大悪魔ロロノに復讐するため。
みな異なる思惑を胸に秘め、3人はパーティーを組んで魔大陸に旅立つのでした――




