デートの待ち合わせまで
デートをすることになったカイさんとマリナ。
カイさんは、毎日近くの公園にいく。そこの公園には、ホームレスのおじいさんがいた。
「今日は良い天気だよなあ」
「ああ」
「これ」
カイさんは、ホームレスのおじいさんに、缶ビールを渡した。
「おう」
「じゃ、またな」
「、、、ああ」
「今日はデートなんだ」
「そうか」
カイさんは、ホームレスのおじいさんに、少しお金を渡した。
「俺が持っていても、なんの意味もないからな」
「これ、あんたに」
ホームレスのおじいさんは、汚れたライターをカイさんに渡した。
「助かるよ。いつもなくすんだ」
「ああ」
カイさんは、ライターを受けとり、デートの待ち合わせ場所に向かった。
カイさんは、慣れない人混みのなか、買ったばかりの、着慣れないきれいな服を着て、マリナを待っていた。
「マリナが来るまで、タバコでも吸ってようかな」
カイさんは、胸ポケットからタバコを取り出した。汚れたライターでタバコに火をつけ、タバコを吸った。
「ばかばかしい。食べたいものはない、行きたい場所もない、欲しいものはタバコとビールだけ。ばかだな」
カイさんは、タバコを捨て、人混みを眺めていた。
「合わせることはできる」
またカイさんは、胸ポケットからタバコを取り出した。
カイさんは、みんなに合わせることも、ふりもできる。マリナにだって、合わせることができる。