23.どうするのか怖くて聞けません
「これが最終形態ですな」
侍医の言葉に小さい私はびくっと震えた。
なんと! これから成長していくんじゃないの? お兄ちゃんも翔ちゃんも、最初は小さい子供の豹だった。なのに、私だけ子猫!?
「成長する時期は終えていますな。変身はいずれ解けるでしょう。コントロールもそのうちできるようになりますよ」
“なー”
悲しげになく雪花を胸に抱きながら、森羅があやしてくれる。
獣としての最終形態がこれ。
おかしいよね、お母さんは美しい白豹だったのに!
「里に来て、獣化の能力が目覚めたんだ。急に驚いたよね、ごめん」
(それはいいから!)
「雪花の家族のオスがやけに過保護な理由がわかったよ。俺たちは、特に子どもには過剰なほど過保護になる。変態を見なくても、彼らの保護本能が作用していたんだ」
(ねえ、森羅は嫌じゃないの!? 嫁にもらえないよ、こんな赤ちゃんじゃ)
「それは大丈夫。獣化した雪花は子どもでも、雪花自体は成人だろ? 番になるには支障はないよ。その、行為も問題ないし」
顔を赤らめても言ってることは結構なことだよ! ていうか、結構純情なの!?
「雪花が相手だからだよ。それに獣化できるって証明できたし。予想以上に可愛いし、俺はすごくうれしい」
(そりゃ、にゃんこの私が可愛いのは異論がないけど!!)
でもでもでも!! 里で遊んでるあの子たちより、小さな猫ちゃんだよ!?
「だから雪花は成人しているって。もちろん、獣化して睦みあってもいいけど。俺は全然問題ない。どんな雪花でも愛せるよ」
立派な愛の告白! でも相手が子猫ちゃん!
森羅は私をタオルごと床にそっと置いて、それから自分も獣化した。
いつもより小さいソファぐらいのサイズだ。もっと彼が大きいのを私は知っている。
(サイズ変更もできるの!?)
「雪花、おいで」
彼の懐に抱き寄せられて、温かい毛並みに包まれる。
全身をぺろりと舐められると雪花は心地よさに“にゃーん”と鳴いた。




