バスタブ
お風呂に入りながらいつも思うことがある
私には何もないんだなって
きっとこのバスタブすら満杯にできないだろう
自分にしかないものを追いかけて
変化を拒んで
私以外の価値観を遮ってきた
可能性は全部排水溝に流されていって
残ったのは冷たくなった水溜まり
私一人がこんなにもちっぽけだったなんて
情けなくて笑っちゃうよ
色んな人がいて
つらいこともいっぱい経験して
バスタブは満たされていく
こんな当たり前のことを忘れてしまっていた私は
温水が出るのを凍えながら待ち続けている
自分が変わらないと何も始まらないというのにね
臆病な私には空っぽのバスタブがお似合いだ