プロローグ
徐々に徐々に追加していきますのでよろしくお願いします
つまらない
この世は馬鹿しかいないのだろうか。
自覚しているやつはまだいい。
問題は自覚していないやつがあまりにも多すぎることである。
馬鹿が決めた法律など何の役にも立たず日々法を破るものが後を絶たない。
だが、そんなつまらない日常がいつか変わるかもしれないと思わないわけではない。
なぜなら、一部の人間に異能の力が発現しているからである。
他種族に抗うための力
人間はその力を万能ではない力としてこう呼んだ。
「法則」と、、、
「暇ってある意味拷問だよな」
これから生徒になる一人の青年がそうつぶやいた。
「入学式にそんなこと言わないの」
その隣で歩いている女の子は半ばあきれながらその言葉をたしなめる。
[空零能力機構学院]
全世界の約2割の異能の生徒が通うただ死ぬために異能の訓練をおこなう人類に勝利をもたらすことのない意味のない場所。
翠月にとって学院は死にに行くための訓練を受ける。
そんな場所である。
なぜならここに通う生徒で卒業できるのはおよそ一割弱しかいないから。
その理由は単純だ。
入学してからおよそ半年で訓練を受けその後様々な戦地に駆り出され、
そして・・・
一年目で入学した約三分の二は[死ぬ]からである。
生き残り戦果をあげ学年があがったとしてもまた違う場所に送られる。
つまり卒業するのに最低でも三回は生き延びなければならないのだ。
さらにそれは入学してから知らされるためにげることもできないのである。
「異能に悩み社会に受け入れられないやつらが異能を学ぶために希望を持ち入学してもすぐに逃げられない地獄がまってる・・・てか」
普通は入学するまで知らないはずの情報を持ってなを
翠月は自分の目的を果たすために。
詩織はそんな翠月を守り共に生きるために。
四月一日
二人はこれからを紡ぎ始める。
「これより空零能力機構学院入学式をとりおこなう」
入学式
誰もが希望を持ち新しいこれからを思い描く行事である。
この学院以外は。
「あいつが学院長にして最強の異能者、夜桜月影か」
ポツリと翠月が口にした瞬間であった。
「っ!!」
見たのだ。
この入学者五十三名の中の翠月を笑いながら的確に目を覗き込まれていた。
気がつけばいつの間にか入学式は終わっており講堂には詩織と翠月そして数人の教師、それらと話している月影がいるだけだった。
「どうしたの?」
詩織は翠月の顔を覗き込み心配そうにしている。
「あの学院長、ほんとに人間かよ」
「なんかあったの?」
「なぁ、詩織。人間どこまで行けばあんな眼ができるんだろうな」
「私には難しくてわからない。でも翠月ならわかるんじゃないかな」
そして月影のほうを見るとそこには月影の姿はなかった。
そのかわり。
「教室は戻らんのか?」
翠月達の真後ろからそんな声が聞こえてきた。
「・・・いつからそこに?」
できる限り驚かないように努めてもこいつが相手では意味ないだろう。
それでもわずかな反抗として問いかける。
「いつから?。そうじゃのう。最初からと言っておこうかの。」
「最初から・・・だと?」
「そうじゃ。まぁ、安心せい。この学院に[暇]なんてものはないからの」
では。と言って月影は講堂から出て行った。
「詩織、見えたか?」
「見えない。それどころか反応すらできなかった」
「詩織でも反応できないって、どんな異能なのやら」
ため息を吐きながら月影が歩いていったほうを睨んだ。
「あれに勝てる?」
詩織がふと聞いてきた。
「無理だろうな」
今は。と
「終わりよければ全てよし。最後に勝てばいいさ。卒業のときにでもな」
翠月は今、言いきったのだ。
卒業まで生き残ると。
「そうだね」
そして二人も講堂から出て行った。
学院規則
一、学院ではカードが生徒の序列となる。
二、学院の敷地から許可なく出てはならない。
三、異能を使って生徒を殺めてはならない。
四、一年ごとに異世界に行き多種族と戦う。
五、規則を破ることはできない。
以上をもって絶対遵守の規則とする。
「カード?」
学院規則を見ながら詩織は首をかしげていた。
「これから配られるだろ」
「どんなカードなんだろ」
「さぁ、だが、カードで序列か。つまり単純に優秀かどうかのランクってことか」
そして学内放送が流れた。
「新入生の皆さん序列選定試験を行います。体育館にお集まりください」
翠月はスピーカーをみて小さく呟いた。
「人間が序列決めてどうすんだよ」
と・・・
体育館
「新入生の諸君、入学式でも言ったがもう一度言おう。ようこそ人類の希望の学院へ。私の名前は渡貫剛天である」
そう語ったのは、この学院の副学院長である渡貫剛天。
一目見た特徴としては、
「でかいな」
ただ一言だった。
がっしりとしており服の上からでも筋力がそうとうのものだというのがわかる。
「あれに殴られたら一発で骨が砕けるな」
そんなことを考えてると一人の生徒が言った。
「渡貫といったら槍術の名門の」
その言葉で生徒がざわついたがそれも当たり前。
なぜなら[渡貫]とは武術の一つである槍術の教えにおいて最強とされている家柄だからに他ならないからである。
「なるほどな。あれが渡貫の。剛天といったらたしか渡貫家の頭首。そして[人類最強種]の一人か。こんなところにいるのかよ」
[人類最強種]
その名のとおり人類において最強とされている人であり、そしてときには、多種族をも圧倒するといわれている、世界に九人しかいないとされる化物のような人間のことである。
「そんなやつが学院の副学長って、まじかよ」
と、そんな感じになるくらいにありえない人なのだ。
「試験の内容は単純だ。私と模擬戦闘を行いその結果から序列を決めていく」
「人類最強種と戦えって、死ねって言ってるのとたいした変わらないだろ」
「ぐちぐち言わないの。人類最強種と模擬でも戦えるんだからいいじゃない」
「はぁ、はじまった」
詩織は別に戦闘が好きというわけではないが、詩織の能力なら強敵と戦えるのが楽しみというのもわからなくはないが・・・てかわかりたくない。
そして、とうとう学院での最初の試験。
[序列選定試験]がはじまった。