愚痴るしかないよね
「ホントふざけんなよ、あのクソ上司。何考えてあんな事言いやがったんだよ」
賑わいを見せる酒屋の隅の円卓、そこに座る数人の1人。 ガリルは酒を呷りながら数時間前の出来事を零した。それは運び屋ギルドで仕事の報告作業をしていた時だった。
事務員の女性からギルド長が呼んでいると聞き、呼ばれる理由を脳内で巡らせながら上司であるギルト長の前に立つと衝撃の事を告げられた。
「はぁ? 俺名義の借用書が届いた? イヤイヤ、冗談ですよね。……マジっすか」
近づき借用書の羊皮紙を覗き見る。
そこには確かに俺の名前が書かれており期限日が過ぎそうだからギルドに送って来たとそこに書いてあった。しかも借りた金が馬鹿みたいに高い。
「なんだよ。返金額金貨100枚って……」
その場で崩れ落ちそうになる俺に目の前の上司は気をかけてくれるのかと思っていたが彼の口からは無情過ぎる言葉が出てきた。
「なぁにが、この件に関して我々は関係ないだ。 こういう時こそ上司が部下を守るんだろうが」
そんな事言う上司の下にいるのがアホらしく思えた俺はすぐにギルドを辞めた。その間にも借金はお前が片付けろと言われていたのが腹立つ。
「それには同感だが、…それよりお前これからどうすんだよ。運び屋ギルド辞めて金返すアテなんかあるのか?」
隣に座る同期に言われ前々から考えていた事を告げた。最初は笑われ呆れられていたが俺の意思を汲んでくれたのか彼等は歩き出す俺を応援してくれた。
そして、後で聞いた話だが俺の借金の犯人は数週間前に担当した若い冒険者共らしく。金を借りるとすぐに別の町に出ていったとのことだった。
「そんな奴らと同じ道を辿るのもどうかと思うが、生きていくには文句も言えないさ」
そうして俺は新たな門出を歩むのであった。




