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episode 2 バイトでシフトが被る話。

「偶然だね、あずはちゃん?俺に会いに来てくれてありがとう〜」


バイト終わり、相変わらず腹立ついい声で話しかけてきた倫。

バックヤードで、しかも働いてる人の数が少ないのもあって今は誰もいない。



なので、有希はとっさに警戒態勢をとった。



「…私は有希です。梓原は苗字です」


「あずはちゃんでいいじゃ〜ん」


勝手に名前を変えるな!

と、突っ込みたいところだがここは我慢だ。



「それで、あずはちゃんはなんでここでバイトすることにしたの?俺目当てでしょ?絶対」


「断言しないでください。ここのお店おしゃれなんで前から働いてみたかったんです」



「嘘だね。俺でしょ?理由」


全然話が通じない倫に辟易しながら、有希は倫をスルーした。



「ね、一緒帰ろ?」


「すいません、男性といるところを見られたら誤解が広まるので…お疲れ様でした」



さっさと帰ろうと有希は身を翻した。

すると、後ろから肩を掴まれた。


「なんですか…」



「俺ね、本当にあずはちゃんのこと結構マジで好きだからちょっとは気にしてね」


「気にしなかったら?どうするんですか」

恐る恐る訊ねると、倫は感情が読み取れない笑みを浮かべた。



「遊び人、遊び人っていうけど、俺ガチにはガチで行きたいから」


倫は有希の頭を優しく撫でると、有希を抱きしめた。




「…気ぃぬいてると怖いことしちゃうかも」



有希の体からサッと血の気が引いた。

倫から離れようとしたが、痛くない程度に力が込められている。



「ってことだから、またね」



倫はゆっくり有希から離れると手を振った。


貞操の危険を感じ、有希は走ってバックヤードから出たのだった。



「あの人、ヤバ…」






___次の日___


今日もシフトが入っている、しかも倫と見事に被っている。

昨日の出来事が脳裏に焼き付き、身震いする。




今日は絶対に一言も話さないようにしなければ…。


裏口からバックヤードに入ろうとするとそこには倫がいた。

思わず、扉を閉めてしまったが何か倫の胸の中に何かいた気がする。



「…」

再び、扉を開いて覗き見ると倫が赤ん坊を抱えていた。


「え、」


「あずはちゃんじゃん」

 

「その子は?もしかして…孕ませた、、子?」

軽蔑の眼差しを倫に向ける。



「さすがにそれはまずいでしょ…店長のお子さんだよ。今、預かってるんだ。まだシフトまで時間あったし」


「そういうことですか」


「遊び人と言ってもそこまではしないよ」

はははっと笑う倫が信用できない。




「やっぱさ…そういのうのは本命としたいじゃんか」


「赤ちゃんの前でやめて…」



咲由さゆくんって言うんだ。可愛いよね〜」

そう言いながら赤ん坊を見る倫の顔がいつもと違って悪魔感を含んでいなかった。



「純粋で可愛いもんね。俺と違って〜」


「好きでやってるんでしょう」


「楽しいじゃん、女の子に囲まれちゃって」


最低すぎんか。

有希は倫に近づいた、いや倫が抱いている咲由に近づいた。



「かわいい…」


赤ちゃんは癒しをくれる。

すやすやと眠っている咲由くんが愛らしくてたまらない。


「赤ちゃんって温かいなぁ」

咲由の小さい手に触れるとそれだけで倫に対する不満が希釈された。




すると、咲由の目が徐々に開き始めた。

「あ、」

と言った頃には泣き出してしまった。

倫が慌ててあやす姿がなぜか、少し可愛らしく見えてしまった。



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