ゴブリンの化石を求めて
「教授……」
「うん? どうした?」
「どうしたもこうしたもないですよ。これだけ発掘を続けても出てくるのは人間や動物の化石ばかり。ゴブリンの化石なんて、まったく出ないじゃないですか」
「ようやく発掘許可が下りたんだ。見つかるまでやめる気はないぞ。無駄口を叩く暇があったら作業に戻ってくれ」
「そうはおっしゃいますがね……発掘作業員の気持ちも理解してやってくださいよ」
「たしかに皆の不満も分かる。実のない作業が続いているからな」
「ええ、そうです。さすがの私ももう抑えきれなくなってきましたよ」
「だが、必ずこの場所から出るはずなんだ……ゴブリンの化石が」
「……」
「だから、頼む。なんとか作業員を説得してくれ。この通りだ」
「はあ……そこまで言われたらやらないわけにもいきません……ま、ゴブリンの化石を発見してみたいって気持ちは、皆が持ってますからね……なんとか、頑張ってみますよ」
「すまんな。迷惑をかける」
「でも、本当にあるんですかね? この日本って名前だった国の跡地にゴブリンの化石なんて……」
「あるに決まってるだろう。あれだけゴブリンに言及した書籍や遺物がいっぱい出土したんだぞ? ゴブリンが生息していたに決まってる!」
「まあたしかにその通りですよね。分かりました。教授が満足するまでお付き合いしますよ!」
「うむ。頼むぞ! 発掘出来たら歴史に残る大発見をした者として、ワシらの名前も永久に語り継がれるだろう! その日が楽しみだ!」




