6話 波乗りおじさんは順風満帆
あれから、さらに時は経ち、気がついたら俺は35歳になっていた。15歳の時に家を出て、川を下って、西海岸の小さな港町に来てから、20年かぁ〜。あっという間だったな。
平凡のウェーブは海では自由自在に波を動かすことが出来た。まぁ、大きさはたかがしてるけど、波乗りにはピッタリだった。板を見よう見まねでサーフボードっぽくして、波乗りおじさんとして有名になった。感覚的にはジェットスキーだな。これがまた凄く楽しいし、いつまで経っても飽きない。子供には大人気で、毎日乗せてくれとせがまれた。波乗りおじさんは今日も子供達を乗せて、スローライフを満喫していた。ハッと気がついたら35歳だった。
仕事はもちろん、漁師だ。カヌーみたいな小型のボートで沖に出ては、魚を釣って生計を立てた。また、梅酒やピーラーやタコスなども販売した。正直、お金には困ってないが、平凡のウェーブというスキルは、どこまで行っても、波乗りおじさん止まりだった。結婚も考えたが、変なスキルと変なあだ名で、これまで縁が無かった。
「ねぇ、波乗りおじさん、また乗っけてくれない」可愛らしい女の子は無邪気に微笑んでる。
「ああ、いいぞ」
「やったぁー、おじさん大好きよ、将来、結婚しても良くてよ」
もう、何人もの女の子にそんな事を言われ続けたが、大人になると、みんな、どこかへ行ってしまうんだな、これが笑。
まぁ、でも、人生は順風満帆だ。素晴らしき、スローライフだ。俺は人生を謳歌しているんだ。




