21話 お股様の憤怒
例のプロジェクトの計画は簡単だ。大抵、王族の食事は、毒味係が全ての食事をチェックする必要がある。テーブルに運ばれる頃には食事は冷めてしまうものだ。常識だろ?
そこで私のスキルで温めて料理をいつものより美味しく頂いてもらうと言うのが計画だ。これは私にしか出来ないテクニックだ。気に入られない訳がない。
いつも書斎で一人で食事する王子のために、冷めている料理を気づかれないように、私のスキルマイクロウェーブでさり気なく温めて届けてあげた。いきなり熱々にするのではなく、様子を見ながら温度を上げることにした。
最初はテーブルに置いても、食事には手をつけず、本を読むのをやめなかった。しかし、徐々に、食事を始める時間が早くなった。
俺は確かな手応えを感じた。やっぱり、食事は温かい方が絶対に美味いよな。
小さな成功を細やかに喜ぶとしよう。
〜〜〜
最終日の夜、王子が部屋に呼び寄せた。護衛も入れない密室。これはチャンスかもしれない。褒美を期待して胸のパッドが大きく膨らんだ。
「食事を温めてくれてありがとう」
キター!
そうなんですよ、殿下。私が、アルドが、いや、このリリアが、温めてました。
ほ、褒美は貰えるのか?
この流れは絶対にもらえるよね!
と思った瞬間、彼は続けた。
「それと、君は男だね」
え?
「2週間前に、火も魔術も使わず物を温める技術の募集が打ち切られた。調べるまでもなかったよ、アルド君」
墓穴を掘った。男であることどころか、素性までバレていた。24時間お股カップ地獄が待っている。余計な事をしなければ、無事にテストは合格できたはず。
だから警告しただろう?俺のお股様は怒りに満ちていた。激おこプンプンだ。
あぁ、もう世界の終わりだ。
24時間お股カップ→リリア発狂→男とバレる→勇者パーティー追放→魔物のボス討伐失敗→家族及び王国の終了→世界の終わり




