13話 震えるぞフード!
ジョジョの奇妙な冒険の有名なセリフをオマージュさせて頂きました。
王城では審査室が設けられていた。それはそうだよな、いきなり王様に会えるわけないよな。そこにはすでに全国から集まった怪しい人々が一攫千金を狙って並んでいた。あーこれは一種のプレゼンみたいな感じだな。よし、目立ってなんぼだ!生前のサラリーマンでも良くやったな。懐かしい。
待つこと数時間、いよいよ俺の番が来た。
「次のもの入室を許可する」
俺はまず扉をノックしてた。「コンコン」
「入れ!」
俺は審査室に入った。
「ノックは要らない」
要らないのかよっ!って心の中で突っ込んだ。
「失礼します」
中央に様々な食材や水などの飲み物や料理まで置かれたテーブルが設けられていた。後方には審査員と見られる方々が数名と護衛もいた。
よし、気合いを入れるぞ。
俺は人参とジャガイモを一つずつ選んだ。あとはガラスのコップに入った水と木製の器に入ったシチューもいっとくか。複数の食材を選んだことで軽く審査員が唸った。
「ほう、複数の違う素材を選ぶのか、よっぽど自信があると見えるな」
「すみませんが、水とシチューは陶器の入れ物に変えていただけないでしょうか?」
ガラスは割れるかもしれないし、木製の器も焦げるかもしれないから、念のためだ。
「なに!ん、まぁ、良かろう」
よし、舞台は整った。あとは審査員の印象に残るように考えてきた詠唱を披露するだけだ。やっぱり、地球のアニメのセリフだろ。ちょっとパクらせてもらった。かなり恥ずかしいけど、こーゆーのは勢いが大事だ。覚悟を決めた。
「では、始めます」
ふーっと息を吐いてから、めいいっぱい大きく息を吸った。
「震えるぞフード!
燃え尽きるほどヒートテック!!
刻むぞ血液のビートマニア!
オーバーテクノロジーのマイクロウェーブ!!
オラオラオラオラ〜」
恥ずかしい詠唱を唱えたあとの約三分間、ただ「オラオラ」を繰り返すしかない。時間が異常に長く感じられる。護衛たちの視線がじりじりと肌を刺す。
食材たちからは湯気が出ている。よし、もう良いな。
「おおっ!」審査員がどよめいた。
「これは素晴らしい!本物だ!」
「よろしい。次の審査に進むが良い」
私は胸を撫で下ろした。第一関門、突破だ。
審査室を後にする俺の背後で、審査員たちの声が微かに聞こえた。
「……あの『オラオラ』は何だったんだ?」




