10話 地獄の爆熱裁断者
波乗りおじさん、改め、地獄の爆熱裁断者というめっちゃ強そうな二つ名を得た俺こと、アルド・ウェイブリッジは、異世界で俺様Tueeをしていた。
電子レンジ的なマイクロウェーブが使えることに気がついた俺は、まさに無敵な存在になっていた。
細胞を高速で振動させ、熱を内部から発生させるのだ。魔法ではないので、詠唱も要らず、即ターゲットが視界に入れば、遠隔でも、頭を瞬時にレンチンでぶっ飛ばす事が出来た。スナイパーのように敵陣に向けて、大物の魔物を狙い撃ちにしてやった。
まさに究極の電子レンジでチンチンチートだ。
すぐに兄のレオンを助けに行き、軽く魔物を圧倒した。俺様の評価は鰻登り、英雄へと上り詰めた。
あのギルドの受付のアンリも、今では俺のベットで寝ているよ。
ふはははは!!!
「ねぇ、起きてってば」とアンリは俺の肩を譲っていた。
「もう、しょうかないわね」
いきなり顔に水がかけられた。
「冷てえーな、いきなり何すんだアンリ」
「気安く、アンリって呼び捨てにしないで!」
「俺様は地獄の爆熱裁断者だぞ」
辺りは静まり返った。
ぶはははっと盛大に笑い声がこだました。
ん?
んんん?
「波乗りのおじさん、最弱のスライム討伐には失敗して、スライムの次に弱いと言われている噛みつきトータルと死闘をして、気を失ったのよ」
もう一度、ぶはははっと盛大に笑い声がこだました。
「波乗りおじさん、いや、地獄の爆熱裁断者様をあまり笑うなよ」
金髪のゴリマッチョイケメンが言った。
「トーマスさんがあなたを担いでギルドまで連れて帰って来たんだから」
あら、スライム討伐失敗もバレた。噛みつきタートルと戦って気を失った事もバレた。もうギルドには絶対に行かないと決めたのに、気がついたらギルドにいた。最悪だ。もう2度とギルドには行けない。もうお嫁には行けないわ的な感じだ。
やべぇ、完全に妄想が、、、夢を見ていたのか?下手こいた。
「お、覚えていろよ、俺は本当にすごいんだぞ」っと捨て台詞を負け犬の遠吠えのようにか細く吐いて、ギルドから逃げるように立ち去った。




