新章:勇者パーティーの荷物持ち(奴隷)~無限転生・地獄の往復ビンタ編~ 第1話:死んだらまた「あのクソガキども」の奴隷だった件
前回の魔王城での地位をすべて失い、再びどん底の「荷物持ち(奴隷)」からスタートする、誠一郎の新たな延命伝説をシリーズ化してお届けします。
新章:勇者パーティーの荷物持ち(奴隷)~無限転生・地獄の往復ビンタ編~
第1話:死んだらまた「あのクソガキども」の奴隷だった件
【プロローグ:前世の終焉】
魔王軍の筆頭衛生兵長として、女幹部たちを侍らせ、絶頂期にいた誠一郎。しかし、毒の貴婦人の「寂しさの毒」を抜くためのデトックス施術中、手違いで猛毒を飲み干し、内臓が沸騰して死亡。
「(あかん、風俗……行けへんかった……)」
それが、前世の最期の記憶だった。
1. 目覚めれば、見慣れた「クソの山」
「おい、起きろゴミ虫ィ!!」
ドッガァァァン!!
強烈な前蹴りが誠一郎の顔面にめり込み、彼は地面を数メートル転がった。
鼻血を噴き出しながら目を開けると、そこには懐かしくも忌々しい顔があった。
「アレックス……? なんでお前が……」
「呼び捨てにしてんじゃねえよ奴隷が! 殺すぞ!」
そこは、薄暗いダンジョンの入り口だった。
誠一郎の体は再び、ガリガリに痩せ細った58歳の「奴隷」に戻っていた。
視界の隅には、絶望的な数字が浮かんでいる。
【残り寿命:1分30秒】
(嘘やろ!? またここからスタートか!? しかも寿命短なっとる!)
「ほら、さっさと荷物持て! 今日は中級ダンジョンの間引きだ。死ぬ気でついてこい!」
戦士ゴードンが、誠一郎の背中に100kg近い鉄の塊のような荷物を叩きつける。
誠一郎は、血を拭いながら即座に理解した。
「(なるほどな……神様はワシをよっぽど『おもてなし』させたいらしい。ええわ、二回目ならもっと上手くやったるわ!)」
2. 新たな延命策:モンスターへの「博愛」
ダンジョンを進むと、小型モンスターの「角ウサギ」が震えていた。
勇者アレックスは、修行と称してその足を無慈悲に聖剣で切り裂く。
「ケッ、雑魚が。ほら、次はあっちだ」
放置された、血まみれのウサギ。
誠一郎は、勇者たちが背を向けた瞬間、這いずってウサギに近づいた。
そして、リュックから貴重な「初級ポーション」を取り出し、ドボドボとウサギにかけた。
「痛かったなぁ〜。よしよし、すぐ治してあげるからなぁ〜」
ピコーン!!!(超絶・善行:+10分)
(……!? 敵であるモンスターを治療したら、人間を助けるよりポイントが高いぞ!?)
誠一郎の目がギラリと光った。
効率だ。効率を考えろ。勇者を助けるのは当然。だが、勇者が傷つけたモンスターを「アフターケア」すれば、ポイントは倍増する!
さらに、誠一郎は先を急ぐ勇者の背中を追いかけ、彼らが不意打ちで負ったカスリ傷にも飛びつく。
「勇者様ぁぁ!! 大変だ! その指先のささくれ、万死に値します! 私がポーションで完治させますぅぅ!!」
ピコン♪(過剰な献身:+1分)
3. 勇者パーティーの逆鱗
しかし、この誠一郎の「全方位ケア」が、勇者たちのプライドを激しく逆撫でした。
「おい……誠一郎。てめぇ、今何した?」
アレックスが立ち止まり、低い声で言った。
背後では、誠一郎が完治させた角ウサギが元気に逃げていくところだった。
「はい? モンスター様も命あるものですから、治療させていただきましたが……」
「……魔物を、治療しただと? 俺がせっかく傷つけた獲物を、奴隷のてめぇが治したのか?」
聖女マリアも、般若のような顔で詰め寄る。
「信じられない! 汚らわしい魔物を助けるなんて、聖職者である私への冒涜よ! このゴミ虫が!」
戦士ゴードンが誠一郎の胸ぐらを掴み、空中に吊り上げた。
「てめぇ、俺たちをバカにしてんのか? 敵も味方も治すってことは、俺たちの戦いを否定してんのかよぉ!!」
4. 暴力の嵐と、歓喜の延命
「違うんです! これは、その、ワシの、趣味というか……!」
「問答無用だ! 根性を叩き直してやる!」
そこから、誠一郎への「お仕置き」が始まった。
ドゴォォォォン!!(格闘技:正拳突き)
「あぐぅっ!!」
バキィィィィ!!(剣術:峰打ち)
「ひぎぃっ!!」
ドガシャァァァ!!(魔法:プチ・エクスプロージョン)
「熱い! 熱いけどありがとうございますぅぅ!!」
勇者たちは、暴言を吐きながら誠一郎をボコボコにした。
殴り、蹴り、魔法で焼き、最後には靴を舐めさせる。
だが、誠一郎の脳内は、かつてない快感に包まれていた。
【異常な献身:+30分】
【不当な暴力への忍耐:+1時間】
【理不尽な罵倒への笑顔:+2時間】
殴られれば殴られるほど、寿命が加速度的に増えていく。
(……ええ、ええぞ! これや! これこそが誠一郎の生きる道や! 魔王軍でチヤホヤされるより、こっちの方が『稼ぎ』がええわ!!)
「おいアレックス! まだ左の頬が空いてますよぉ! 魔法でもう一発、気合を入れてくださいよぉぉ!!」
誠一郎は、血だろけの顔でニチャアと笑い、勇者の靴を熱心に舐め回した。
「ヒィッ……な、なんだこいつ……気持ち悪ぃ!」
勇者アレックスが、恐怖で一歩引く。
「さぁ、もっと! もっと私をボコボコにして、皆様のストレスを解消してください! それが私の! 最高の! 人助けでございますぅぅぅ!!」
ピロリロリロリロリーン!!!
【残り寿命:12時間突破!】
【次回予告】
勇者たちの暴力すら「延命リソース」に変えた誠一郎。
しかし、彼の「モンスター治療」が原因で、ダンジョンの生態系が狂い始める!
「誠一郎に治されたゴブリンが、恩返しに誠一郎を拉致!?」
次回、第2話。
『恩返しはいらん! 魔物の村で「神様」に祀られ、寿命がカンストしそうになる誠一郎』
「やめて! ワシを拝まないで! 勇者に殴られないとポイント効率が落ちるんや!」
誠一郎の歪んだ修行道は、さらなるカオスへ!




