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第5話:魔王城の新人介護士は元人間! 幹部のストレスケアで成り上がる!

勇者に見捨てられ、逆に魔物に拾われた誠一郎。

第5話は、魔王城を舞台に、彼の「プロの媚びスキル」が火を噴きます。


第5話:魔王城の新人介護士は元人間! 幹部のストレスケアで成り上がる!




【現在の状況】


* 場所:魔界・魔王城「謁見の間」


* 職業:魔王軍・特別衛生兵(人間ペット枠)


* 現在の残り寿命:24時間30分(デュラハン介護ボーナスのおかげ)


* 新しい上司:


* 魔王ゼノン:全魔界の支配者。激務により慢性的な肩こりと不眠症に悩む。


* デュラハン:誠一郎を拾ってきた。実は義理堅い。





1. 勇者パーティーの敗走と、ヘッドハンティング




「そ、そんな……! デュラハンが完全回復しているだと!?」




勇者アレックスは愕然としていた。必殺技を放った直後で魔力も体力も空だ。



一方、誠一郎のエリクサー漬けにより、デュラハンの肌(鎧)は新品同様にツヤツヤと輝いている。



デュラハンは、半殺しにされた誠一郎をひょいとつまみ上げた。




「人間ノ勇者ヨ。貴様ラノ負ケダ。コノ狂人ゴミハ、我ガ貰イ受ケル」




「ふざけんな! そのジジイは俺のサンドバッグだぞ!」




「五月蝿イ」




デュラハンが剣を一閃させると、凄まじい衝撃波が勇者パーティーを吹き飛ばした。




「覚えてろぉぉぉ〜!」と星になって消えていく勇者たち。



残されたのは、ボロ雑巾のようになった誠一郎だけだった。



誠一郎は、デュラハンの手の中で意識を取り戻した。




「……ここは? 風俗店?」




「城ダ。魔王様ニ献上スル」




「えっ」





2. 魔王の悩みと、社畜の勘




魔王城、謁見の間。



天井が見えないほど高い広間に、玉座があった。



そこに座っていたのは、身長5メートルはある漆黒の巨躯、魔王ゼノンだった。



しかし、その姿勢はどこかおかしい。



背中を丸め、しきりに首をコキコキと鳴らし、眉間に深いシワを寄せている。




「……デュラハンよ。その汚い人間は何だ」




「ハッ。我ガ命ヲ救ッタ変ワリ者デス。人間ノクセニ、妙ナ技術ヲ持ッテオリマス」




魔王は興味なさそうに溜息をついた。




「そうか。殺して捨てておけ。余は今、頭痛が酷いのだ……」




殺気。



誠一郎の本能が警鐘を鳴らす。



(ここで「はいそうですか」と死んでたまるか! 2万円もまだ使ってないんやぞ!)



誠一郎は、デュラハンの手から飛び降りると、地面を這いずって玉座の階段を登り始めた。




「貴様! 無礼ダゾ!」




「お待ちください魔王様ぁぁぁ!!」




誠一郎は叫んだ。




「その姿勢! その首の角度! 目の下のクマ! ……さては、**『魔界統治による重度のデスクワーク過多およびストレス性肩こり』**とお見受けします!!」




魔王の目が少し開いた。




「……なぜそれを知っている」




誠一郎はニヤリと笑った(顔は腫れているが)。



介護施設で、気難しい理事長の機嫌を取るために培った観察眼だ。




「私にお任せください! 人間界の秘儀**『シアツ(指圧)』**で、そのお辛い体を軽くして差し上げます! もし効果がなければ、私の首をはねていただいて構いません!」




魔王は少し考え、重々しく頷いた。




「……よいだろう。やってみせよ。だが、少しでも痛みを感じさせれば即座に灰にする」





3. 伝説の施術「モミ・ホグシ」





誠一郎は魔王の背後に回った。



魔王の背中は岩のように硬い。筋肉が凝り固まりすぎて、もはや鎧だ。



(こらアカン。ガチガチや。こんなんじゃ血流悪くてイライラもするわ)



誠一郎は指の関節をポキポキと鳴らした。




「では、失礼いたしますぅ〜。力加減はどうですか〜? 痛くないですか〜?」




ググッ……!




誠一郎の親指が、魔王の肩甲骨の内側にあるツボ(天宗)に正確にめり込んだ。




「ぬぉっ……!?」




魔王が低い声を漏らす。




「そこです! そこが凝ってるんですよぉ〜。老廃物が溜まってますねぇ〜。流しますよぉ〜」




誠一郎は、**「延命」**のために必死だった。



ただ揉むのではない。



「相手に快感を与え、感謝させ、ポイントを稼ぐ」という強欲なマッサージだ。



魂を込めた指圧は、魔族の鋼の肉体をもほぐしていく。




「おぉ……そこだ……そこがずっと重かったのだ……」




魔王の表情が、次第にトロトロに緩んでいく。



500年分の疲れが、誠一郎の指先から抜けていくようだ。



さらに誠一郎は、話術を畳み掛ける。




「魔王様、いつも大変ですねぇ。部下の管理に、勇者の迎撃。誰もその苦労を分かってくれない。私には分かりますよぉ。魔王様は十分頑張っておられますよぉ」




ピコーン!!



ピコーン!!



ピコーン!!



脳内で通知音が連打される。



【対象:魔王(魔界の支配者)】


【行動:極上のリラクゼーションとメンタルケア】


【評価:母の如き包容力】


残り寿命:+3日 獲得!!


残り寿命:+1週間 獲得!!



(キタキタキタァァァ!! チョロい! 権力者ほど孤独なんや! 優しくされたがってるんや!)




「あぁ……よい……すごくよいぞ人間……」




最後の一押し。



誠一郎は、魔王の耳元で囁いた。




「仕上げに、ホットタオル(魔法で温めた雑巾)をお乗せしますねぇ〜」




ジュワァ……。



温かい蒸気が魔王の首筋を包む。




「……ふぁ……」




魔王ゼノン、陥落。



玉座の上で、完全にだらしない顔をして寝息を立て始めた。




「ス……スゲェ……」




デュラハンが顎(手に持ってる頭の顎)を外して驚いている。不眠症の魔王を数分で寝かしつけるとは。




4. 報酬と新たな野望




数時間後。



目を覚ました魔王は、生まれ変わったようにスッキリしていた。




「体が……軽い。羽が生えたようだ(元々生えているが)」




魔王は誠一郎を見下ろした。その目には、もはや殺気はない。あるのは「依存」の光だ。




「人間よ。名はなんと言う」




「ハッ! 誠一郎と申します! 風俗と金が大好きな58歳です!」




「正直でよろしい。誠一郎よ、褒美をやろう。金か? 地位か? それとも……」




誠一郎は、床に頭を擦り付けた。




「ありがき幸せ!! では、一つだけお願いがございます!!」




「申してみよ」




誠一郎は顔を上げ、ギラギラした目で叫んだ。




「この城の中に! 私専用の『慰安所』を作ってください! そして、サキュバスやダークエルフのお姉ちゃんたちを、福利厚生として派遣してください!!」




「……は?」




「魔王軍の兵士たちも疲れております! 彼らを癒やすため(建前)、そして何より私が楽しむため(本音)の施設が必要なのです!」




魔王はポカンとしたが、体が軽くなった感動が勝った。




「……よかろう。貴様を魔王軍**『筆頭衛生兵長』**に任命する。城の一角を使え。好きにするがよい」




「うおおおおおお!! 一生ついていきます魔王様ぁぁぁ!!」




こうして、誠一郎は魔王城の中に「拠点」を手に入れた。



しかし、彼はまだ知らなかった。



魔王軍の幹部たちは、一癖も二癖もある「厄介な患者クレーマー」ばかりだということを。




【次回予告】

念願のサキュバスと遊べる! と思いきや、配属されたのは……



「あ、あの……私、血を見ると卒倒しちゃう吸血鬼なんですけど……」



「アタシは全身が炎だから触れるもの全部燃やしちゃうのよ! 触んな!」



メンヘラ吸血鬼に、更年期障害の炎の魔女。



問題児だらけの女幹部たちを、「介護スキル」と「2万円」で手懐けろ!



次回、第6話。

『魔王城の裏風俗(マッサージ店)開業! メンヘラ吸血鬼を「よしよし」してたら依存された』

「誠一郎さぁん、血ぃ吸わせてぇ〜」「痛い痛い! 寿命減る! ポイント減るからやめて!」

誠一郎の受難と快楽の日々は続く!

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