↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隠密侍女は推し令嬢を幸せにしたい!〜推しの兄は同士ですが、何故だか私にも甘いです!?〜  作者: 九条 睦月


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
63/64

41-3.星空の下で(3)

「ところで、今日のアイリーンは女神のように美しく、天使のように愛らしかったね」

「はい! まさしくそのとおりですっ!」


 レオナード様の言葉に、私はすぐさまがっつく。身を乗り出す勢いだ。


「アーネスト様と一緒にいらっしゃる時のアイリーン様は、本当にお幸せそうで、お美しくて、お可愛らしくて、神々しくて、もう眼福としかっ……!」

「本当にね。アーネスト様には少々妬けるけど、アイリーンが幸せなら何も言うことはない」

「はい。アイリーン様の幸せが一番です!」


 なにせ、私たちは【アイリーン様を愛で守る会】のメンバーですから! アイリーン様が幸せになること、それが私たちの幸せでもある。

 可愛がっている妹を他の男性に取られるようで、レオナード様としてはちょっぴり面白くないかもしれない。でも、二人が幸せになることを心から願っていることは、ひしひしと伝わってくる。


「お二人の結婚式が、今から楽しみです。どんなドレスでもアイリーン様は着こなしてしまわれるので、ドレス選びは難航するでしょうね。髪型だってどうしましょう。あの艶やかな銀髪を全部結い上げてしまうのは少し勿体ない気がするので、半分は下ろした方がいいでしょうか。あ、でもベールの形が決まってからですよね! それから……」

「マリオン、マリオン、その辺でストップ」

「アイリーン様のウェディングドレス姿を想像したら、妄想が止まらなくなってしまいます!」

「気持ちはわかるけどね」


 他の人なら引かれてしまうこんな言動も、レオナード様ならわかってもらえる。推しが同じって、素晴らしい!

 そんなことを思ってニマニマしていると、レオナード様がほんの少し眉を下げ、こう言った。


「ここまでアイリーンを大事に思ってくれるのだから、マリオンについて行かせたいとは思う。でもそれじゃ、俺が困るんだよね」

「……え?」


(どういうことだろう? ついて行かせたい? アイリーン様……に?)


「それって! アイリーン様と一緒にサザランド公爵家へ行けるということでしょうか!」


 アーネスト様とご結婚されたら、アイリーン様は当然ここを出て、サザランド公爵家へ行ってしまう。

 それはとても幸せなこととはいえ、淋しいという気持ちももちろんあった。気持ちが込み上げてくる度に、必死に抑えていたけれど。


 でも、レオナード様は今、私をアイリーン様について行かせたいと言った。ということは、そういうことでしょう! これまでどおり、私が専属侍女として……!

 嬉々とする私を見て、レオナード様は悩ましげに溜息をついた。


「レオナード様?」

「それじゃ、俺が困るって言ったよ」

「……どうしてですか?」

「……やれやれ。マリオンに、雰囲気や空気を読んでくれと要求するのは無理だったか」


 今、なにかとても失礼なことを呟かれた気がする。


「マリオン」

「……はい」

「君は、アイリーンにはついて行けない。というか、俺が行かせない」

「な、何故でしょうか!」


(さっき、ついて行かせたいって言ったのに! ハッ、もしかしたらレオナード様は、ご自分がアイリーン様と離れてしまうのに、私だけついて行くなんて許せないと? そ、そんな……)


 その気持ちは痛いほどわかるけれど、ちょっとひどいんじゃないだろうか。

 私が恨めしそうな目で見つめると、レオナード様はそれ以上に苦々しい表情になった。


「想像もしていないって顔だね」

「想像? 何のですか?」

「俺が、マリオンを想っているということ」

「おも……っ!?」


(おもっている? え? 思う? 重い? え? よくわからない)


「好きだよ、マリオン。俺は、君を逃がすつもりはない」

「……へ?」


(すき……? 鋤? いや、鋤は農具でしょ! 隙?)


 先ほどから、レオナード様の言葉が脳内で上手く変換されない。

 目を白黒させるばかりの私に業を煮やしたのか、レオナード様は立ち上がり、私の前で跪いた。


「レ、レオナード様!」

「マリオン」

「……っ」


 私も立ち上がろうとしたけれど、その動きをレオナード様は瞳だけで制す。


「結婚してほしい。俺と、この先の未来を共に生きてほしいんだ」

「……」


 頭の中が真っ白になる。


(結婚……? 私が、レオナード様と……?)


 その意味をようやっと理解した時、真っ白だった景色が、鮮やかに色づき始めた。


 ボッ!


 顔から火が出たかと思った。そのくらい、熱い。


「その顔は……全く脈なしではなさそうだね。安心した」

「いや、その、あの、えっと……!」

「あぁ、身分違いだから云々って理由は却下。そんなものどうにでもなるし、そもそもうちは、そんなものは気にしない。気にするのは人柄と能力だけ。その点、マリオンは合格だ。しかも、お墨付き」

「お、お墨付きですか?」

「そう。……俺の」

「!」


 オルブライト侯爵家に出入りする者は皆、レオナード様が選定している。何故なら、彼にはそれに敵う絶対のスキルがあるから──。


「両親はすでに説得済み。マリオンなら大歓迎だって。ちなみに、アイリーンも喜んでいたよ」

「え? え?」

「後は、マリオンの了承を得て、グレイ家に打診、承認を得るだけ」

「……」


 絶句である。


(いつの間にそんなことになっているんですかーーーっ!)

いつも読んでくださってありがとうございます。

いいな、面白いな、と感じていただけましたら、ブクマや評価(☆☆☆☆☆)をいただけますととても嬉しいです。皆さまの応援が励みになります!

どうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。