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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

別の世界ではただの日常です

愛しているよ

作者: 茅野榛人

 僕は学校の皆にいじめられている。

 先生や家族は僕のいじめられている話を何一つ信じてくれない。

 正直今の僕にとって学校に行くことは、自殺行為と言っても過言ではない。

 しかし唯一僕の味方になってくれている人がいる。

 同じクラスメイトの女子、『F』だ。

 僕の言葉を信じてくれる、たった一人の味方だ。

 Fに会いに行く……僕はその気持ちだけで学校に足を運んでいる。

 やがてFとは友達から恋人へと関係が発展して行った。

 しかし関係が深まって行く内に、とうとう恐れていた事態が起きてしまった。

 Fもいじめの対象になってしまった。

 Fへのいじめは日に日にエスカレートして行き、僕が受けているいじめと同レベルのいじめを受けるようになってしまった。

 僕は一時的に、Fとの関係を解消した。

 唯一の味方との関係を絶つと言う選択は、一時的とは言え、かなり勇気のいる選択だった。

 しかしこの選択は、Fを守る為の、仕方の無い選択なのだ。

 だが関係を一時的に解消してから暫くして、Fは自殺した。

 しかもFが自殺する直前、僕の家のポストに手紙を投函したらしく、手紙には、Fの自殺場所が書かれていた。

 恐らく、僕を第一発見者にしたかったのであろう。

 自殺場所は森の中で、樹木に結んだロープで首を吊っていた。

 僕の所為で、人が一人死んだのだ。

 唯一の味方を、実質僕が殺した……この思いは僕の精神を容赦無く切り刻み、粉々にした。

 僕は学校に行く理由を失い、不登校になった。

 しかしここから異変が起き始めた。

 僕が本来通うはずの学校で、僕の身の回りの人間が次々と殺され始めたのだ。

 しかも殺された被害者は皆、僕とFをいじめていた人たちなのだ。

 一体犯人は誰なのか……まさかFの呪いだったりして……。

 僕はニュース等の情報を逐一確認した。

 しかし警察の捜査も空しく、僕をいじめていた人間達は皆殺された。

 だが最後の遺体発見現場の近くで、犯人を目撃したと言う情報があり、目撃者の証言を基に似顔絵が作成され、公開された。

 その似顔絵を見た瞬間、僕は全てを思い出した。

 僕は慌ててFが自殺した森に向かった。

 土を掘り返し、Fの顔を露出させる。

 土に塗れてはいるが、僕を興奮させる顔だ。

 F……愛しているよ……。

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