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謎の強者:スカイ

 3話目です。謎の強者:スカイ一体何者なんだ(棒)

 冒険者ギルドから出た俺達はサリアの借りている部屋に戻ってきた。


「いや、さっきも言ったけどさ‥‥めっちゃボロいよなここ」


 ここってサリア以外に住んでる人は居るのだろうか‥‥


「うぅ‥‥最初は宿屋暮らしもありかな?とか思ったんですが予想以上に高かったので色々と探した結果、卒業までなんとか借りていられる部屋がこのアパートのここだったんですよ‥‥」


「ここってさ、サリア以外住んでる人いる?」


「ここのアパートの持ち主が言うには借りる人がいるとは思わなかった。祖父から譲って貰ったは良いがあまりにもボロかったので解体しようかとも思ったが解体するのも無料じゃないから一応は部屋を借りる事が可能にしてた。という事らしいです」


「つまり、サリアしか居ないって事だな。で?ここは1月でいくらくらい?」


「銅貨5枚です‥‥」


「うん、安いね」


 ぶっちゃけ貨幣価値も良く分かってねぇけどな。魔石に関しても鑑定で大体これくらいって出たからその通りに出して売っただけだしな。そんな俺でもここが安いってのは分かるな。


「これくらいなら自分が冒険者として薬草採取など雑用系の依頼をしっかりとこなせば卒業くらいまではなんとかなる予定だったんですよ‥‥」


「おおう‥‥なんかすまん」


「いえ、今まで反応すらしなかった〈召喚魔法〉でアオイさんが召喚されたのもなにか理由があるのでしょうから大丈夫です!」


「そうか‥‥よし、今から大きく稼いでくるわ」


「ど、どうやってですか?」


「冒険者としてだよ」


「え?でも‥‥」


「俺は今のところは目立つ予定が無いから‥‥うん。別人として冒険者カードを作ってくるわ」


「魔力はギルドに登録されてますし別人として冒険者カードを作るなんて‥‥無理ですよ!」


「ふっふっふ‥‥秘策がある。見てろ?」


 俺はサリアにそう言うと〈魔力偽装〉〈変身〉〈換装〉を発動し自身の見た目や魔力を変えて武装する。


「え‥‥?アオイさんが全くの別人になりましたが‥‥なんとなく私に雰囲気が似てる?」


「おう。まず、サリアの成長した姿を予想してからそれを男性風に変更する。その後、この周辺だと見かけない銀髪碧色にしてそれなりに強そうな見た目の武器防具を装備したんだ」


「えっと‥‥理解が追い付いて無いんですが、その装備は何処から?」


「俺の持つ〈換装〉ってスキルを使って異空間にしまってある装備を取り出して装着した。この剣は見た目強そうだけどそんなに強くないし防具は俺が倒した魔物から作り出したコートだから結構頑丈だ」


「もしかして‥‥アオイさん凄く強い‥‥?」


「どうだろうな‥‥あの学長くらいなら余裕で倒せるんじゃね?」


「あり得ませんよ!だって‥‥学長の名前はメロ・フォルティア・エンデ。≪災厄の風≫と呼ばれる凄い人なんですよ」


「え?サリアどうしたの?てか、あの学長そんな名前だったんだ‥‥あとなにその二つ名的なの。誰が考えてるんだ?」


「あの人はこの国の英雄にしてこの国の守護神なんです!その人を余裕で倒せるなんて‥‥いくらアオイさんが強くても信じられません」


「‥‥サリアは学長に憧れてるんだな」


「はい!この国を長い間守って来てくれてるんですよ!憧れないわけ無いじゃないですか!」


「そっか‥‥うん。そうだな‥‥憧れの人より強いなんて言われても信じられねぇよなぁ‥‥」


「はい!」


「んじゃ、サリア。俺の強さに関してはそれなりに強い奴って認識で良い。あの学長とも戦う気無いしな。だが、俺はお前の召喚獣って事になってるからもしあの学長に何かあってこの国が滅びる事が起こってもお前だけは守ってやる。ついでにお前が絶対に助けたいと思う奴数人程度ならそいつらも守ってやるからな」


「‥‥その言い方なんかずるいです」


「ま、とりあえず今からもう1回冒険者ギルドに行ってくるな?ついでに、この姿の時の俺の名前はスカイとでもするかな」


 名前の由来は名字に入ってる空を英語にしただけでシンプルな名前だ。


「その姿の時はスカイさんで良いんですね?」


「おう」


「では、スカイさん。声は変えられないんですか?」


「ん?声か‥‥良く考えたら声を変えるのも必要だな‥‥うん。声変えればバレる事は無くなるはず」


 〈変装〉を再発動して声を少しだけ今の自分より低くする。そこからほんの少しクール系の声に変更。よし、これで完璧。


「‥‥変えられるんだ」


「どうだ?」


「本当に変わってる‥‥」


「よし、最後に口調だな‥‥一人称は私で口調は敬語メインでテンションが上がるとたまに崩れるって感じかな」


「徹底してますね‥‥」


「そりゃ、徹底しなきゃな。では、行ってきますね」


「あ、はい。行ってらっしゃい」


 俺は、外に出る前に〈闇魔法〉を利用した軽い認識阻害を発動してから外に出る。気にしすぎかもしれないが入った人と別人が出てくるとか何事かってなりそうだからな‥‥


 そんなこんなで再びの冒険者ギルド。今度は前回と違って周囲の冒険者が俺を見る。ちなみに、認識阻害は解除済みだ。


「すみません。冒険者になりたいのですが‥‥登録はこちらで大丈夫ですか?」


 今度は人が少なそうな男性のいる受付に向かう。


「え、ええ。ここで登録が出来るますが‥‥貴方はかなりの実力者に見えますが、どうして冒険者ギルドに登録を?傭兵や騎士などでも問題無さそうに感じられますが‥‥?」


 おっと。そこは考えてなかった。どうすっかな‥‥よし。思い付いた。


「私は数年前まで国で騎士をしていたのですが‥‥あの国の騎士という身分に嫌気が差しましてね?辞めて来たのですよ」


 こういう言い方をすれば何処の国の騎士だったのかを勝手に想像してくれる。


「なるほど‥‥じゃあ、何故貴方は自分のいた国で無くこの国で登録を?」


「当然の疑問ですね‥‥国で登録しなかった理由は簡単な話です。私の国には冒険者ギルドが存在しなかったのですよ」


「冒険者ギルドの無い国‥‥かなり遠くから来られたんですね。ちなみに国の名前を聞いても?」


 なんか、怪しまれてる?ならば‥‥


「‥‥冒険者ギルドとはこのように人の過去を洗いざらい話さなければ登録が出来ない所だったのですね。仕方ありませんね‥‥この国での登録は諦めましょう」


「ま、待ってください!申し訳ございません。貴方のような実力者が冒険者ギルドに登録しようとするのが珍しくて好奇心で色々と聞いてしまいました!」


「ふむ‥‥しっかりと謝罪をしていただけたので謝罪を受け入れましょう。では、私がこのギルドに登録は可能ですか?」


「も、もちろんです!」


「では、登録させて貰おうかな?」


「分かりました。では貴方のお名前とよろしければ教えていただける範囲でスキルもお願いします」


「私の名前はスカイ。〈剣聖〉〈精霊魔法〉〈二刀流〉〈付与魔法〉を主に使用しています」


「〈剣聖〉なんて素晴らしいですね」


「ありがとう」


「では、登録させていただきます。冒険者のランク制度についてはご存知ですか?」


「問題無いよ。なる前に軽く調べてあるからね」


「では、この冒険者カードに魔力を流して貰えますか?」


 さっきもやった事なのでさくっと魔力を流すと冒険者カードが軽く光った。


「これで良いかい?」


「はい。ありがとうございます。では、登録代として銀貨1枚いただきます」


 俺は銀貨を渡す。


「では、こちらがスカイ様の冒険者カードです」


 しっかりと冒険者カードにはスカイと書いてあったのでほっとした。正直少しだけ不安だった。


「ありがとう。ちなみになんだけど‥‥」


「どうしたのですか?」


「いえ、魔物や魔石を売却出来ると聞いたのですが‥‥」


「大丈夫です。魔物や魔石はここに出して貰えますか?」


「すみません、ここではちょっと。貴方がつぶれてしまいます」


 俺が今回出そうとしてるのはでかいのだ。


「‥‥分かりました。倉庫までご案内します」


 受付の男性に着いていき、倉庫に到着した。


「うん。ここならば大丈夫だと思うよ。では、出すね?」


 俺はただの革製の袋を取り出して、ストレージの偽装に使用する。俺が出したのはレッドドラゴンだ。これなら、かなりの額になるだろう。


「こ、これは‥‥素晴らしい‥‥解体の手間があるので後日来て貰う事は可能ですか?」


「すぐには無理なのかい?」


「流石にちょっと難しいですね‥‥」


「では、このドラゴンとは別の魔物のだが魔石だけならすぐに換金出来るかな?」


「どの魔物の魔石かによりますが問題無いはずですよ」


「では、この魔石を頼みます」


 大きめの魔石を取り出す。直径1cm程の大きさだ。


「お、大きい‥‥この魔石の鑑定をさせて貰っても?」


「その魔石はリッチを迷宮で討伐した時の魔石だね」


「リ、リッチですか‥‥鑑定をしてくるので10分ほどギルド内で待っていただけますか?」


「うん。問題無いよ」


 そう言われたので10分ほど時間を潰した。さっきは鑑定のモノクルみたいのであっさり鑑定してたのにね。まあ、買い取ってくれるならなんでも良いけどね。


 10分後


「お待たせしました、スカイ様。お渡し頂いたのはエルダーリッチの魔石でしたので、売却価格として金貨1483枚になります」


「へぇ‥‥かなり高値が着いたね?」


 普通のリッチじゃなかったんだ‥‥まあ、なんでも良いか。


「エルダーリッチはここ数十年の討伐例が無く、希少価値が高いという事でこの値段となりました。よろしいでしょうか」


「うん、大丈夫だよ」


 俺は金貨の入ってる袋を革袋に入れる振りをしてストレージに仕舞った。


「それで‥‥あのドラゴンは全て売却でよろしいので?」


「問題無いよ」


「では、2日後までには解体も終わりお値段が付くと思われます」


「なるほど。よろしく頼むよ」


「はい!あと今回のエルダーリッチの魔石の納品によってスカイ様のランクをCまで上げさせていただきます。これ以上は1回での昇格は不可能でした。しかし、レッドドラゴンを納品なされたので2日後にはAランクまで昇格すると思われます」


「うん、分かったよ。では、2日後にね」


「あ、申し遅れました。私はアンドレアと申します」


「アンドレアさんね。覚えておくよ。じゃあね」


 俺はそう言ってギルドを出た。サリアは相当驚くだろうな‥‥どんな反応するか楽しみだ。

 金貨1400枚も持って帰ったらサリアは倒れる(確信)

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