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供養としての喫煙
実は私はタバコを吸うのだ。
週に数本しか吸わないとはいえ。
こうしたドラッグユーザーは珍しいらしいな。
亡き父への供養として、私はタバコを吸う。
けして父は良いスモーカーではなかった。幼児の私がげろげろ吐いているというのに、きついハイライトを父はいつも車内でも吸っていた。おまけに吸い殻を道路に投げ捨てていた。死因は肺ガン。
私の飲酒ペースは、週一程度だ。別に酒に中毒はしていない。
別にこれは母への供養ではない。酒は好きだし。
母も良いドリンカーではなかった。私の学校の成績を悲観して泣いては、昼から酒を飲みトイレで吐いていた。脳梗塞で亡くなった。
タバコで死んだ父と、酒で死んだ母。
父母が亡くなってから、酒やタバコへの依存や欲求が消えたように思う。むかしは父母に対する反抗心から、中毒していたのだ。
心に負荷がなければ、酒、タバコはしないでいられる。中毒にはならない。




