精神病棟って私的に天国
本音、精神病棟は病院というより隔離施設である。あくまで患者の保護のためとはいえ、患者は心身の自由を拘束される。
それこそ、刑務所同様脱走を試む人が出るくらいの環境だ。
しかし。
私は劣悪な学生時代を過ごしたからか、そんな精神病棟内を快適に過ごせる。
そう、快適である。実は自宅より。
精神病に無理解なひとのいない施設。みんなこころの病気に理解ある患者たち。親切な看護師さん。上げ膳据え膳の栄養管理された美味い食事。
不満なのは酒が飲めないことと、睡眠時間が長すぎることだ。
(書き間違いではない。消灯時間は九時間。長すぎてベッドに横になっていられず、読書しようと明かりをつけては看護師さんに止められていた)
私は別にアル中ではないからまったく快適なのである。で、岩波とかのお堅い本を読んではノートにつらつらと妄想を綴り、それが創作になったりする。
まったく中高生時代こんな生活できたら、私はこんなに落ちこぼれていなかったよ。
あ、これは私のいた病院がたまたま良いとこなだけかも。
悪い病棟は刑務所以下の地獄、とのうわさを……子供の頃聞いて、ずっと精神科に偏見を持っていた。
真実は知りません。
入院持ち込みアイテムとしては。電子辞書と関数電卓の存在が大きい。いずれもCasio製。
電子辞書すげえ、百科事典がまるごとに広辞苑。音声発音してくれる英和和英その他。しかも、小説が数千作入ってる! 理数系の調べものにも十分。
関数電卓は、使いどころを知ると破壊力抜群だ。調べものをしてから計算で確かめたいときに、みごとに決まる。指数対数計算はよく使ったな。
入院生活、エンジョイしよう。




