序文
あらすじを御覧になった皆様、どうも初めまして。小説家になろうで、なろうウケしないSFやファンタジーやホラーを執筆しています、浦切三語と申します。
まず最初に申し上げたいことは、このエッセイはあらすじ部分にもあるように「リアルタイムで鑑賞した映画のレビュー」になります。鑑賞から時間を置いてじっくり熟成させた考えを掲載するのではなく、かなり直感的・野性的な反応を文章としてしたためるので、時として乱文気味になってしまうことをご了承ください。
そしてもう一つ付け加えますと、本エッセイは「ただの映画レビュー」です。ようは好き嫌いであーだこーだ語るってことです。間違っても書き手の思想を強く反映させた「映画評論」ではございませんし、映画のあらましを客観的に解説したり考察したりする「映画解説」でもございません。
そもそも私は思うんですが、映画評論というのはもっとずっしりとした、読み応えのある「作品」であると思っています。
映画評論を書くのに必要な力というのは、私が思うに次の三つであると思います。
作品の輪郭を捉える上で必要となる、ジャンルを問わない膨大な「知識力」。
リアルタイムで進行していく映画の娯楽性や芸術性の本質を見抜く「洞察力」。
そして、現代における物語が過去の物語の引用の集合であるというのを理解し、作品に相対的な価値づけを行うために過去の物語を的確に援用する「リファレンス力」。
この三つが著しく欠けている私に、批評など書けるわけがありません。
なので、私が書くのは「映画レビュー」であり「映画紹介文」であるわけです。
どうして私がこんなものを書こうかと思ったかと言いますと、素人身分で恐縮ですが、映画の良さをもっと皆様に知っていただきたいからに他なりません。
そして実際に、映画館に足を運んでいただきたい。だからこそ「リアルタイムで鑑賞した映画のレビュー」という、非常に限られた範囲でのエッセイを書くわけです。
昨今、周りを見渡してみると、あらゆる娯楽が氾濫している時代であると強く思い知らされます。SNS、youtube、ソシャゲ、そして小説家になろう……昔は娯楽の頂点に君臨していた『映画』も、今はその地位をこれら他の娯楽へ明け渡していると言えるでしょう。
なにせ一つの映画を鑑賞するのに1900円もかかる訳です。そして時間も2時間近く束縛される。
これらのデメリットとも考えられる諸要素をまとめて見ると、そりゃあ映画館へなかなか足が向かないのも当然です。
しかし、映画ってのはそれらを含めて考えても、実にいいものです。
本当に素晴らしい映画というのは、時間の浪費や金銭の投資では決して手に入らない「目に見えない宝物」でございます。
その「目に見えない宝物」を、少しでも多く記憶の中に溜め込むことができたら、きっとそれは素敵なことではないでしょうか。
時代が経てば、フィルムは摩耗し、DVDやBDも他のメディア媒体に取って代わり、再生機器もどんどん次世代型になっていき、あの薄い円盤に封入された数々の映像美が、もう見れなくなる時がくるかもしれません。
だけれども、傑作とされる映画はそれらに頼らずとも、いつでも心の中で再生可能なのです。
少しでも、皆さんに多くの映画があることを知っていただきたい。そして、自分にとって一生の宝物になる映画を見つけていただきたい。その手助けをしたい。
そういう一念で、このエッセイを書き始めることを決意しました。
当方、しがないサラリーマンであるため、映画を観に行ける日は休日・祝日のみに限られます。よってこのエッセイも、基本的には一週間~二週間に一回ぐらいの更新ペースになるかと思います。
それでも、一つ一つのレビューに力を入れて書きますので、どうかお付き合い下されば幸いです。
ではでは。