覚醒
「ごほっ!げほっ!う…ぐぅ…っ!」
殴られた衝撃に顔をしかめる。
しかしすぐに身体を起こして剣を抜く。悪魔は歩いてくる。にたりと顔を歪ませ、可笑しそうに嗤う。
『ギャハ!冥土の土産にいくつか教えてやろう。小娘、まずは魔法だ!』
悪魔は腕を突き出す。その腕を斬ろうとフィアラは剣を振るう!しかし、剣は悪魔の手に止められてしまう。その無防備な身体には魔力の塊を叩き込まれる。
風の力を感じるが緑色ではなく、黒い小さな玉だった。黒玉はフィアラの体内に入ると一気に吹き荒れる。身体の中で嵐が起こり、かき回されるような感覚を覚え、嘔吐する。
『体内を風が巡る…ククッ!滅多に味わえない感覚だろう?気分はどうだ?ーー魔法はただ魔力を込めればいいってもんではないのだよ。構成力、それに見合う魔力量、そして制御…どれが欠けても魔法としては成立するがそれは不完全な魔法になるのだ…先程の小娘のようにな!!』
講釈垂れる悪魔の顔面を殴ろうと飛びかかる。嘔吐感から回復したフィアラは剣を取り返そうと悪魔が持つ剣に手を伸ばす。が、剣を投げられてしまい、代わりにフィアラの手が捕まってしまう。
「くそー!離せえ!!あうっ!」
もがくフィアラの手に更に黒い腕輪のようなものが嵌められる。黒い腕輪はフィアラの手を掴んだまま浮かび上がる。
「何コレ!?外れない…ううーっ!」
『クハハハッ!無様なものだなぁ。それにしては元気ではあるがなぁ!』
「くそぉっ!なんなんだよぉっ!見たことない魔法ばっかり…黒いのってなんなのさ!!」
『ほう?』
悪魔が不思議そうにフィアラの顔を覗き込む。見定めるようにジロジロと見つめている。
『オレ様たち悪魔が使う魔力なんざ1つしかねえだろぉ!闇だよ!!…つうか、小娘。オメーも同じ属性じゃねえのかい?』
「はあっ!?人間が闇属性の魔法なんて使えるわけないでしょーがっ!!」
思わず言い返してしまう。悪魔と同じ属性?自分が?
『いーや、一緒だな。オレ様の目はごまかせねえ。…なるほどなぁ…クククッ!』
可笑しそうに嗤う。そしてフィアラを指差して言い放つ。
『小娘ぇ、お前、封印魔法の媒体にされてるぞ。ニンゲンてのは悪魔以上に悪魔なのかもなぁ!同族であるはずの人に封印を施すなんてよぉ!』
悪魔がクハハハッと爆笑する。フィアラには何が何なのか話についていけず困惑している。
『しかも不完全と来た!小娘、お前の魔法上手く行かねえ原因こいつかも知んねえな?クククッ…冥土の土産がまた増えたな!このオレ様が封印を解除してやろう!!何が封印されてんのかわかった後、無残に殺してやるからなぁ!!』
腕輪が回転し、フィアラは悪魔に背中を向けさせられて、手を置かれる。冷たい手から冷たい何かがフィアラの背中を張っていき…
『封印解除』
背中でパキィーンと何かが割れる感覚がした。直後、
ーードクン
フィアラは身体に強い鼓動を感じ、ぐったりと項垂れる。身体の内側から自分のものではない何かが蠢いて滲み出てくる感覚に再びの嘔吐感に襲われる。
「…う…あ……あああ……!」
ーードクンドクン!!
鼓動が早く高鳴ってくる。同時に内側の何かが湧き出てくる感覚に変わり、喘ぎ苦しむ。耐えきれなくなった彼女はーー
「『あァああアあぁぁアアアあああァぁあああアアア!!!』」
叫び、意識を手放した。
文字数がどんどこ増えていく…(汗)




